都市をプレイグラウンドにする闘い・SIDE CORE のCONCRETE PLANET 展/一日一微発見461
ワタリウム美術館でSIDE COREの個展が始まった。入り口にSIDE COREが何者かについて簡単な紹介がされている。
「例えば、高速道路や線路、地下水路などを特殊な方法で撮影したり、公共空間で見られる街灯やガードレール、道路工事のサインなどを素材としたインスタレーション作品、ネズミの人形が夜の東京を歩くドキュメント映像など、SIDE COREは都市の公共性や制度に注目しこれに独自な方法で介入することで作品作りを行っています。その表現方法は常に広がり、更新され今まさに現在進行形の見逃せないアーティストです」
SIDE COREの松下徹、jango、Diegoらメンバーたちとは、15年以上つきあってきて、展示も見てきた。
彼らはチームとして作品やプロジェクトを完践するが同時に個別にも作品をつくり発表し続けてきたし、SIDE COREは3人の固定したクリエイティブというより、つねに「誰」かが加わり、チームとしても可変性がある。
そのような呼び名や組織について分析もできるが、大切なのは、アーティストを開かれたものにしようとする基本姿勢だと思う。そこがまず好きなのだ。
今回のワタリウム美術館は意外にも初の「ソロ」ショーだ。でも、ワタリウム関連の企画としては、東北REBORNや青山の「水の波紋」でのプロジェクトを見続けてきたから、何だか自然な成り行き。
展覧会タイトルもCONCRETE PLANETだから、都市をテーマにしてるんだろう。
あらためて言うまでもなく、彼らの活動の中心にはストリートがある。そしてグラフィティがある。だから、ファインアートの文脈というより、街の中にエアゾールでライティングする文脈が基本にある。
しかし一方で、コンテンポラリーペインティングの袋小路ということもあって、ミューラル、つまり、壁面を支持体とするグラフィティは「絵画」領域の、はっきり言って最もヴィヴィッドな分野になった。
大山エリコイサムや鈴木ひらくなどの活躍と高い評価を思い浮かべれば良い。
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