コロナウイルスで人のいない街、ピーター・ドイグの絵・東京06/一日一微発見092
朝9時東京駅から水道橋へ。
いつもならラッシュアワーなのに、JRの座席も人はまばらで、目を疑うほど。
中国で発生した新型コロナウイルスは、グローバリゼーションのトラフィックに乗って、あっという間に世界中に広がりつつある。
今までの肺炎ウイルスと違って、強い感染力を持ち、なおかつ伝染経路がつかみにくい。
日本でもなぜか、北海道や和歌山で感染が広がり、今のところ東北や中国地方ではゼロとされている。
僕らは、この30年くらいいろんなカタストロフを経験してきた。
ありがたいことに、戦争や内乱は回避されてはいるが、カルトのテロや、地震、台風、放射能など、カタストロフがやってくることが我々には、「常態」になりつつある。
そして今回、インヴィジブルなウイルスだ。
しかし、空は青く、たまに寒波が戻るが確実に春が近づきつつある。
そんなときに、人々は見えない「影」におびえている。
MASKは売り切れてもはや買えない。
イベントは次々に自粛。
いよいよ7月の東京オリンピックさえ、開催がだいじょうぶか?という話も出だした。
僕は、いつものように小さなトランクに資料をつめて東京を歩きまわっている。
午前に水道橋、午後すぐに六本木。
次の打ち合わせの間に、竹橋までメトロを何回も乗り換えて近代美術館へ行く。
ピーター・ドイグの日本初の個展の内覧会へ行くのである。
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編集者・アートプロデューサー・京都造形芸術大学教授/後藤繁雄です。
アートや編集のこと、思考、アイデア、日々起きていることなどをその都度書いていきます。
ここでの文章はハウトゥにはならないと思いますが、知性や感性を刺激したい人に読んでもらったらいいかなと思います。
僕は、人は、大きな出会いがやってきて変わるというより、微妙なものに気がついてだんだん変わることのほうが「可能性」が高いと思う。「微発見」。
それには、訓練が必要で、この「一日一微発見」も、僕の訓練法のひとつです。
アート思考・後藤繁雄の一日一微発見
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「一日一微発見」というのは、僕が師匠だと思っている文化人類学者、故・岩田慶治が日々やっていたこと。 僕はそこからヒントをもらって、もう15…
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