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NFTアートのプロジェクトがいよいよ始まる/一日一微発見323

クリスティーズと組んだBeepleの作品が70億以上で売買されたり、OpenSeaがブレイクしたかと思うと、あっという間に暗号通貨の暴落に伴ってNFTアートについても社員の大量解雇のニュースが流れたり、ネガティブな情報が飛び交ったりしている。

まぁ、NFTアートを一発当てる勝機と考えた人たちは、右往左往の毎日なのだと思われる。

しかしNFTアートの不可逆的な可能性を見抜いている人たち、アーティストたちは、かえって事態は面白くなってきたな、と思っているに違いない。

僕もその全くその1人である。僕はNFTアートにはポジティブな考えを持っている。

近現代を作ってきたデカルト流のロジカルシンキングの限界が言われて久しいが、いよいよ時勢が「アントロポセン末期」のシンドロームを示してくると、人々は「アート思考」に飛びつくようになってきた。

価値を変成したり、生成したりするアートの「再魔術化の力」(モリス・バーマン)に注目することになったのであり、アートワールドもその事態の先端を示している。

アーティストの中にはNFTアートを今まで自分がやってきた「デジタルアート」が、やっとブロックチェーンのシステムで唯一無二の存在として「価値づけられる」と喜んでいる人たちもいる。
それは朗報だし、Beepleの成功などは、それに火をつけた格好だ。
しかしそれはトバ口でしかないことは明らかだし、事態の解釈としてはあまりにも表層的だろう。

つい先日、デジタルアーティストの、たかくらかずき君が、京都の祇園にあるスペースでキュレーションした「仮想四畳半」展を見に立ち寄った。

しぶい京風の建物のこうし戸を開けると、そこに四畳半のお座敷スペースが特設されていて、屏風と掛け軸にNFTアートがプロジェクションされていていた。
QRコードから売買のページにとぶことができるという「展覧会」であった。

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