名和晃平写真集『moment photography』/目は旅をする044(写真の未来形)
名和晃平写真集『moment photography』
G/P+abp刊
「写真」は、驚くほどの速度で変成している。何をもって「写真」か?という定義をするよりもその変成する速度は速く、従来の「写真批評」はまるで追いついていけない。
まず新たな視点は、写真は今日、データであり、それをどのように視覚化するかというアルゴリズムそのものになったということだ。
データは目に見えないから、見えるようにしなければならない。
アルゴリズムを設計出来る人間ならばともかく、従来の「写真家」はシステムの枠内で表現をするにとどまるしかない。
銀塩と暗室作業がもたらしていた様々なメタファーは、もはや蒸発してしまった。プルーストやバルトの写真論が懐かしいほどだ。
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