アートプロジェクトのつくり方について/一日一微発見299
直島旅館ろ霞のアートプロデュースの仕事をやるようになって、にわかに直島に行くことが多くなった。そして山ツツジ咲きほこる直島の美しい自然や、島人たちの人柄の柔らかさが実感されるようになった。これは良き縁を得たものだと感謝している。
ろ霞の「アートの企て」は、「若手アーティストの作品と出会う」ということである。
しかしアーティストたちは直島に住んでいるわけではない。直島という場所の風土を知ることなくアーティストがどんな素晴らしい作品を作り出したとしてもそれは片手おちだろう。魂の入っていないプロジェクトと言わざるを得ない。
その縁をいかに作ることができるか。
「アートの力」とは作品の力だけではなく、アーティストがどれだけ自然なカタチで身心を込めてくれるかにかかっている。「自発」以上に強いものはない。
幸福なアートプロジェクトには、企ての「人為(やらせ)」のようなものは不要だ。僕はアートプロデュースの仕事を続けているが、自分の存在が邪魔になるときは、消えるようにしている。企ての作為が見えることが邪魔になる時は不要なのだ。
「アートの企て」は庭づくりに似ていると最近とみに思うようになった。
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