#アート
イネス・ファン・ラムスウィールド&ヴィノード・マタディン 『 Pretty Much Everything』/目は旅をする053(写真の未来形)
イネス・ファン・ラムスウィールド&ヴィノード・マタディンInez van Lamsweerde/Vinoodh Matadin 『 Pretty Much Everything』 (Taschen刊) ファッションフォトは、単純には商品としての服を売るためのものである。 しかし、早くからその洋服に、資本主義的な価値生成を増幅させるための重要な共犯者であった。 ファッションの特異なところは、デザイナーによる「作品」でありながら、「流行」という常に変化し続けるトレンドを持って
スティーブン・ギル 『COMING UP FOR AIR: STEPHEN GILL – A RETROSPECTIVE』/目は旅をする050(写真の未来形)
スティーブン・ギル 『COMING UP FOR AIR: STEPHEN GILL – A RETROSPECTIVE』 (Nobody刊) 2021年秋にスティーブン・ギルは、30年以上に渡る活動を集約した大規模な「回顧展」をアルノルフィニで開催した。 この本は、そのタイミングで発行され、ギルが今までに発表してきた写真集を、ほぼ年代順に収録し直した600ページをこす大著である。 僕が彼の写真集『Buried』をフォトグラファーズギャラリーの売店で見たのが(それは土だら
タイヨー &ニコ Taiyo Onorato & Nico Kreb『Future Memories』 /目は旅をする049(地図のない旅/行先のない旅)
タイヨー &ニコTaiyo Onorato & Nico Kreb『Future Memories』 (EDITION PATRICK FREY刊) タイヨー&ニコはスイス出身のアーティストデュオで、この15年近く、「実験的」な写真に取り組み続けてきた。 この最新写真集は、同じくスイスの出版社であるパトリック・フューレ一と彼らが組んでスタートさせた「未来FUTURE」新プロジェクトで、今後5、6冊が継続的にシリーズで出る予定だと出版社のプレスは告げている。 それも、計画的に