ブラッサイ『PARIS DE NUIT 夜のパリ 』/目は旅をする060(都市と写真)
ブラッサイ『PARIS DE NUIT 夜のパリ 』
(みすず書房刊)
コロナ期の間に、ウイルスのおかげで世界は随分変わった。アメリカは分断され、ロシアや中国のような、20世紀であればコミュニズムであった国家が露骨に全体主義になり侵略戦争を引き起こし、ついには核戦争に突入しようとしている。
一方では、AIの進化は人間の予想以上に早く、ますます人間の奴隷化、無力化は加速化して行くだろう。
何がこのような「ニューダークエイジ」「ディストピア」への道を牽引しているのだろうか?
もちろんその答えは、人間自分自身なのだが、なかなか人間は自分の非をみとめない。誰かのせいにしたいのだ。
僕も安易なヒューマニズムを嫌う脱人間中心主義者だが、それは新手のニヒリズムでしかないかも知れない。だからと言って、ニヒリズムを乗り越える希望や喜びは、何処から? いかに回復、再生できるのだろうか?
2022年の暮れから2023年の初め。そんな気分の中で、ブラッサイの写真集や彼が書いた『語るピカソ』や『作家の誕生 ヘンリー・ミラー』などをまとめて読んですごした。
理由は特別ない。
偶然、たまたまそうなったのだ。
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