#写真家
SHIGERU ONISHI 『A METAMATHEMATICAL PROPOSITION』/目は旅をする079(写真の未来形)
SHIGERU ONISHI『A METAMATHEMATICAL PROPOSITION』 (STEIDEL 刊) 大西茂(1928-1994)は、岡山に生まれ北海道大学理学部数学科で博士課程をへて研究室に所属して、「超無限」を研究した。それど並行し、写真作品を作り続け、後年には墨象表現へと発展させた特異なアーティストである。 アヴァンギャルド芸術、実験写真と便宜的に分類されるかもしれない。 瀧口修造は早くから大西を評価したし、また、具体美術協会をサポートしたミシェル
バリー・マッギー『TAR PIT. 2021』『Reproduction (stamped edition)』/目は旅をする058(ストリート)
バリー・マッギー『TAR PIT. 2021』(V1Gallery/Eighteen刊) 『Reproduction (stamped edition)』 (Aperture刊) この間、TABF(トーキョーアートブックフェア)があり、僕も自分が主宰する写真集/アートブックのレーベルG/P+abpで出店していた。アートブックフェアには日本だけじゃなくてパリ、アムス、香港などにも出店してきたが、お客さんとの出会いも楽しいが、世界のアートブックパブリッシャーがどんな「本」を作ろ
イネス・ファン・ラムスウィールド&ヴィノード・マタディン 『 Pretty Much Everything』/目は旅をする053(写真の未来形)
イネス・ファン・ラムスウィールド&ヴィノード・マタディンInez van Lamsweerde/Vinoodh Matadin 『 Pretty Much Everything』 (Taschen刊) ファッションフォトは、単純には商品としての服を売るためのものである。 しかし、早くからその洋服に、資本主義的な価値生成を増幅させるための重要な共犯者であった。 ファッションの特異なところは、デザイナーによる「作品」でありながら、「流行」という常に変化し続けるトレンドを持って
スティーブン・ギル 『COMING UP FOR AIR: STEPHEN GILL – A RETROSPECTIVE』/目は旅をする050(写真の未来形)
スティーブン・ギル 『COMING UP FOR AIR: STEPHEN GILL – A RETROSPECTIVE』 (Nobody刊) 2021年秋にスティーブン・ギルは、30年以上に渡る活動を集約した大規模な「回顧展」をアルノルフィニで開催した。 この本は、そのタイミングで発行され、ギルが今までに発表してきた写真集を、ほぼ年代順に収録し直した600ページをこす大著である。 僕が彼の写真集『Buried』をフォトグラファーズギャラリーの売店で見たのが(それは土だら