ラストオブアスパート2(無自覚な暴力について)(ネタバレ有)

はじめに

世界中で賛否両論が繰り広げられているラストオブアスパート2(TLoUP2)
なんとなくで購入した私なのだが、思っていた以上に名作であり、どうしても感想文を書きたくなった。

ネタバレ有の感想なので、是非ともプレイをして読むことを勧める。

ジョエルとエリー、そしてアビー

一応、知らない方に用に簡単に三人を説明する。
・ジョエル → パート1の主人公。2では序盤にてアビー氏により殺害。
・エリー  → パート1のサブ主人公。2ではメイン主人になり殺害されたジョエルの復讐のためアビーを追う。
・アビー → パート2のサブ主人公。ジョエルを殺害し逃亡。

 ゲームのオープニングといえる場面が終了すると、エリーは恋人のディーナと共にアビーを追ってシアトルまで行く。
物語はそんなシアトルでの3日間の出来事である。

ゲームにおける賛否両論について

 ゲームそれ自体については、パート1より進化しておりサバイバルホラーとしてもアクセシビリティの豊富さにおいてもPS4後期の作品として、大手IP作品の続編としても素晴らしい出来のゲームであることは間違いない。
 では、なぜここまで賛否に分かれるかというと「ゲームにおける暴力性を強制的に体験させられる」事と「ジョエルの死亡が受け入れなれない」のほぼ2点に集約される。
(ジョエルの死亡を受け入れられないという方はこの記事をこれ以降読む必要はあまり無い。私から言えることは「マブラブオルタナティブ」をプレイしようぜ!位だ。成人向けってそういうこと!!!!)

きっても切り離せないゲームと暴力性について

 エリーはジョエルの復讐を誓って、アビーを追う。
 そこには、パート1とは違い「世界を救う」様な大義名分はなく極めて利己的で独善の意思を持って関係ある人間も無関係な人間(ついでに可愛い犬)も立ちはだかる存在総てを殺害していく。

 でも、、、これって普段僕たちが遊んでいるゲーム総てにいえること。

幼少期に遊んだであろうポケモン、普段遊んでいるRPG、アクションゲーム、そこには敵や立ちふさがるも物はないだろうか。例外となるのは、シナリオがないゲーム全般だけだろう。

本ゲームでエリー2日目病院進入時PSvitaで遊んでる女性がいる。カメオ出演でプレイされているのは「ホットラインマイアミ」というゲームだ。
実はこのゲームとんでもない”メタ表現”がある。ラストオブアス2をプレイした人間は切実に体験しているものをメタ表現でゲームの終盤で知らされるのだ「そう・・・このゲームをしているのはあなたってね」
 似たようなゲームで「アンダーテール」チャッチコピーは「誰も死ななくてもいい優しいRPG」。しかし、このゲームが曲者なのは所謂Gルート「全員殺す」ルートの存在だ。TLoUP2で体験できるものとほぼ一緒といえるだろう。(実感はわきにくいかもしれないが)

ノーティードックの凄さは、大手会社の大型IPの続編で今まで無自覚で遊んでいただろうプレイヤーにこれでもか「自分がしていること」を突き付けてくる。

 自覚のないプレイヤーにとってこれほど苦痛なゲームはないだろう。そしてそれこそがニール氏の思惑でもある。ニール氏の志が高すぎて性格の悪い自分としては偉い!偉すぎるぞ!!ニールさん!!!となってしまった。
好んでホットラインマイアミをプレイする人間としては彼に尊敬の意を表するほかない。

愛とやらなけばなかったこと

 TLoUP2はその名の通りパート2だ。1をプレイした人はわかるだろうが、TLoUPではいつでも「裏」となる存在。もしくは「対偶」ともいえる存在がある。エピソードそれ自体も多く、語りつくせないものとなっている。

TLoUP2も同様だ。エリートアビー。復讐する者と復讐が終わった者。
エリー編で行うことはアビー側が体験したものであり、アビー編で体験するものはTLoUPでジョエルが体験したこととなっているのだ。

二人の主人公はそれぞれ「愛」のために行動する。
愛の反対は無関心とマザーテレサ氏辺りが言ってるらしいが、その通りで
今回の二人は「憎悪」という最も暴力的で純粋な愛のもと行動している。

愛そのものが暴力だと思う人間はどれだけいるのだろうか。
二人とも愛のもとに「やらなければならない」と信じ行動した。その過程と結果をプレイヤーはコントローラーを通して体験する。
無自覚なプレイヤーは幾度となく「このボタンを押したくない」「先に進みたくない」と思っただろう。(実際その感想も見た。)

 エピローグのクリアタイトルとして「やらなければならなかったこと」と最後にエリーの思い出として挿入されるエピソードを見るとニール氏がゲームを通じて伝えたかったことの意図が分かるかもしれない。。。
エリーとアビー二人が本当に「やらなければならなかったこと」について

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