UNESCO WEEK 2024【国際シンポジウム】持続可能ってなんだろう?
こんにちは!ichikoです。
環境 × 教育
に関することを投稿しています。
今回は1月19日に参加した
UNESCO WEEK 2024の国際シンポジウムについて。
聴いたことを忘れないように
まとめておくことで
参加されていない方にも
何かお役に立てる情報になればいいなと思います!
基調講演「持続可能な未来を共に築く~パンデミックからの教訓」
マレーシア国際イスラム大学学長 ズルキフリ・アブデュル・ラザクさんの
講演でした。
コロナウイルスのパンデミックにより
「人々の遺産を共有することの大切さを再認識した」
…遺産というのは
後世に伝えるべきもの。
自然環境や文化、歴史など、過去のものことです。
ユネスコは世界遺産の登録などを行っています。
いろいろな国の「生きがい」
日本語で「生きがい」これをいろんな国の言葉で紹介されました。
他国の、日本の「生きがい」と同義語の言葉
について考えてみます。
スウェーデンでは「Lagom」
「適度に」
「バランスをとって」
「完全にシンプルに」
「適切な量で」
多すぎず、少なすぎず、ちょうどいいという意味だそうです。
アフリカでは「Ubuntu(ウブントゥ)」
「あなたがいてくれるから わたしがいる」
感謝の気持ちで人とともに生きるという意味です。
アフリカの教育は優れていて
世界最古の大学はアフリカにあるそうです。
そして、伝統的に
個人主義ではなく集団主義を根ざしていたそうです。
マレーシアでは「Sejahtera(セジャテラ)」
マレー語で繫栄、幸せ、平和、福祉
という意味だそうです。
それぞれの「生きがい」「Lagom」「Ubuntu」「Sejahtera」
を世界みんなが共有することが大切である。
それが持続可能性を考えるにあたって重要であり
そのためには現在と未来だけでなく
過去から学ぶことが重要だと言っています。
過去から学ぶことの重要さ
この写真は
システム・スバックという
1000年以上前から現在も続く
田に水を配分するシステムをもつ棚田です。
この棚田があるバリ島には
「トリ・ヒタ・カラナ」という哲学が根付いているそうです。
この棚田がなぜ1000年もの間、維持されてきたのか
その哲学をもとにした理由や方法から
学ぶところが大きいのです。
また、ブータンは
世界で唯一のCO2排出マイナス国です。
そして国民の幸福度が高いことで知られています。
それはなぜなのでしょうか。
タイでは仏教の「中道」に基づく
「充足経済」という経済思想があるそうです。
過剰な生産と消費をしないように
ほどほどの経済活動を勧めるというものです。
過去から脈々と続く考えに基づいた思想です。
現代と過去の子どもたちの教育
子どもたちは、自由に遊ぶことや
複数の子どもたちとの交流
自然への没入
大人の手伝いや共同作業など
さまざまな方法で学ぶ。
そして、これは昔から行われてきた
子どもたちの教育方法です。
そして、それは現代に多く取り入れられている
制度化された教育と比較して
より自律的で持続可能な教育である。
自然の中で、経験から学びを得ていた過去。
私たちは自然を元に戻し、
人間も戻らなくてはならないのだと
ズル先生はお話しされていました。
自分の内と外のバランスをとること
ズル先生は
マクロバランス=自分の内的なバランス
マイクロバランス=自分の外的なバランス
このバランスをとることが大切である
と言っています。
自分の内的なバランスは
知的・感情的・精神的・物理的
4つのバランスがとれた状態が個人の幸福に繋がる。
そのためレジリエンスやメンタルヘルスなどは重要です。
外的なバランスは
人種や富や信仰などに関係なく世界中の人々が、
・社会的公正
・環境十全性(十全性とは完全、欠点がないという意味)
・繁栄の共有
のバランスが取れた状態を目指しています。
持続可能な社会を目指して…教育の重要性
過去から学び
よりよい教育を行うことにより、
多くの人々が
内的、外的なバランスについて知り、共有し、実践する。
そのことによって、持続可能な社会が実現する。
教育が背負う責任は大きいことを
改めて感じる講演でした。
また、過去から学ぶという視点は
私にはあまりなかったなぁということにも気付くことができました。
過去の文化を守り、そこから学ぶこと
ユネスコの活動についても
さらに興味関心が高まりました。
この後、実践報告が2つありましたが
それについてはまた今度書こうと思います。
今日はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。