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【音楽】40代があたらよを聴いて思うこと。

偶然発見し、はまったバンドについて、以前は羊文学についての記事を書いた。

今回は、あたらよについて書きたい。

あたらよは女性ボーカルに男性二人の三人での構成。
「悲しみを食べて育つバンド」というキャッチコピーを持つ通り、恋愛の切なさや悲しみを歌った歌がメインとなる。

ボーカルのひとみさんの澄んだ声(ホントに声が綺麗なのです)と、ギターの優しいメロディがわたしは好きだ。

そして、あたらよの最も好きなところ。
それはMVである。
いまの言葉を使えば、とにかくエモい。

フィルム撮りしたような少し荒い画質で構成させる、いまはもう経験できないような若いときの恋愛と別れの映像。
間に挟まれる、風景や部屋の中の様子など、ひとつひとつの映像がまたよい。
荒い画質だからこそ、20年以上前の自分の学生時代も想起させられる。
まだカメラはフィルム撮りがメインで、使い捨てカメラを使っていた頃。

うわぁぁぁと、言葉にできない感情が、駆け巡ることもある。

YouTubeの再生数が六千万回を越える「10月、無口な君を忘れる」がたぶんあたらよの一番有名で、人気のある歌となるのであろうし、このMVもとても素敵だ。
特に曲の後半、線路沿いを歩く女の子が静かに涙を流すシーンがとても美しいので、是非みていただきたい。


そして、わたしが一番好きなあたらよのMV。
それは、「8.8」という曲である。
サムネからもうぐっとくる。
そうそう、若いときの一人暮らしの部屋ってこんな感じだった。

もうわたしの好きな要素がこのMVに詰まっていると言っても過言ではない。

なんの変哲もなく、特におしゃれでもない住宅街や信号や歩道橋。
せまいキッチンでの料理する姿。
簡素なカーテンレールにかけるてるてる坊主。
ちいさな全自動洗濯機。
お皿を出さず、箱を開いてそのままケーキを食べる姿。
素朴な女の子の姿も笑顔もファッションもかわいい。

この全てに「若いときにしか経験できないなにか」が詰まっている。
そして、それはもう絶対に戻ってこないし、いままた経験することはできないこともわたしは知っている。
だからこそ、先ほどのよう、余計にうわぁぁぁとなるのだ。

歌詞にあるよう「今さらになって」、それに気づくのだ。
若いときはもう、絶対に戻ってこないということ。
あのときの感情、気持ちもいまとは違う。
若さ故のいろいろなこと。

これが年齢を経てわかることなのだと痛感する。

若い人に人気のあるバンドのようだが、わたしのようなアラフォー、アラフィフが見てもぐっとくるようなものがある気がする。

今時のうた、と敬遠せず、聴いてみて、MVも見てほしいなと思う。

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