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仕事に求めるものをミニマル化する

キャリアアップや成長、年収の高さ、出世。

かつて、こういうものを必死に追い求めていました。

専門性を磨き、会社で定量的な実績をだし、市場価値を高めつづける。ビジネスの世界のなか、のし上がっていくことが大事だと思っていました。

でも時が経つうち、そういう世界に自分は合わないと判明。

スーツを着て週5日出社。土日はいっときの自由を許され、月曜日の朝は憂鬱になりながらまた出社。窓のない「閉ざされた白い鉄の箱」のなか、大量の案件を抱えて朝から晩までPCをカタカタ。

そのうちストレスで体調を崩し、休職・退職。

キャリアブレイクのあいだ、かつてのそうした「キャリアにとらわれていた自分」を見つめ直すようになりました。世の中ではキャリアが重要視されているように見えるけど、自分自身にとってそれは本当に重要なんだろうか?

しばらく仕事から離れる。外を散歩し、旅行してみる。のどかな公園のベンチに座り、サッカーボールを蹴って遊んでいる子どもたちを眺めてボーっとしてみる。

それは一見なにもしていないように見えて、ある人には「はやく会社に戻れよ」と思われるかもしれません。

けれど、仕事から離れて心に余裕をもって過ごす時間は、思っていたよりずっと重要なんだなと感じます。業務に追われていたときは考えることもなかった物事に意識を向けるようになり、「自分ってほんとはどう生きていきたいんだろ?」と自問自答するようになるからです。

休職して自分を見つめ直した結果、「仕事に無闇な成長を求めるのはやめよう」と考えるようになりました。

もちろん成長するのはすばらしいこと。新しいスキルを得るのは純粋に楽しいし、知らないことを知るのは知的好奇心を刺激し、生きている実感さえ与えてくれます。

けれどつねに成長を強いられる環境は、ストレスが大きくなりがちだと感じます。求められることが増え、成果主義的な環境でプレッシャーを抱えながら働くことになり、その不安が休日にも浸食してくることがあると思うからです。

個人的にはもう二度と、そういう世界で働きたくありません。

働くことに、無闇な成長を求めない。
これはある意味、「仕事に求めるものを減らして身軽になれた」と、ポジティブにとらえることもできる気がします。

仕事における、不要な要素を切り落とす。より自分仕様へと軽量化された、快適な働き方をめざす。

そこに社会の価値基準は介入させず、すべて自分の価値観で判断していいんじゃないかと。

仕事に求めるものを、自分なりにミニマル化すること。それが、平穏な人生のために必要じゃないかなと思います。


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いちきた
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