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能力観の初期設定ー学生たちの能力アップへのリアルな体験(1)
学び・就活・仕事・スポーツなど、社会のさまざまな場面で効力を発揮する七つのチカラ。それらをうまく活用するかどうかで、あなたの人生は大きく変わるかもしれません。
そこで、だれでも知らず知らずのうちに、そうしたチカラをグレードアップするためのノウハウを八つの記事にまとめてみました。
テーマは、「等身大の大学生たちー能力アップへのリアルな体験」です。
この記事は、そのプロローグになっています。
初めて基礎力(聞く、話す、書く、読むなどのチカラ)の習得に挑もうと思っている方を対象にしています。
モットーは、「基礎力のキホン」を「わかりやすく」かつ「シンプル」な形で、しかも生活の中で「役に立つコンテンツ」を提供することです。
「話したり、書いたりすることに、まったく自信がない人」
↓
勇気を得ることができるのではないでしょうか。
「人前で話さなければならないのに、準備ができていない人」
↓
準備の道筋が伝わるでしょう。
「面接にどう臨めばよいのか、わからない人」
↓
どんな言葉で話を始めればよいのかを知ることができます。
「これまで基礎力の育成なんて考えたことがなかった人」
↓
それらを鍛えることの大切さを実感できます。
「社会に出る前に、ひと通りのチカラをつけておきたい人」
↓
満足できる内容になっているのではないでしょうか。
「生徒や学生への指導で悩んでいる人」
↓
ユニークな見方に出会うでしょう。
社会で必要とされている基礎力の育成・トレーニングについては、すでにたくさんの本が刊行されています。
それぞれに特色があり、有益な指摘も満載。参考になることはまちがいありません。
でも、そうした本のうち、どれか一冊を選び、それに基づいてスムーズにトレーニングを行っていけるのかと問われると、直ちに「OK」と言えないところがあります。
なぜでしょうか?
多くの場合、その分野のスペシャリスト、つまり「熟達者の視点」で書かれているからです。
その結果、あまりにもたくさんのことが盛り込まれています。
「初めてトレーニングしてみようと考えている人」は、おそらく戸惑ってしまうのではないでしょうか。
最低限やってほしいと想定されているレベルが相当高く設定されている点も気になります。
端的に言いますと、「トレーニングに挑もうとする人」の心の内――やってみようという意欲とともに、うまくやれるのかどうかという心配や不安、さらには、指摘されていることは難しく、自分には無理という思い込みなどが交じり合っている――があまり重視されていないように思われるのです。
それに対して、ここでは、基礎力育成に関するこれまでの啓発本・ノウハウ本とは、異なったアングルが採用されています。
それは、「トレーニングに挑もうとする人」の等身大の立場にほかなりません。
特に重視したのは、次の三点です。
① 基礎力育成を始めようとするときの「心のあり方」
② トレーニングの過程におけるその「変化」
③ トレーニングの「効果」
そうしたコンテンツが可能になったのは、「40年余りの学生たちに対する指導・相談の経験」と「実態調査を通じたわたしなりの検証」があるからです。
多くの文献も参考にしましたが、知りえた多くの情報は、実際にわたしが知りえた学生たち経由のものがベースになっています。
しかし、書かれていることは、特に大学生に限定されるわけではありません。
高校生、これから社会に出ていこうとしている若い方々、すでに働いている社会人、さらには教育の現場に携わっている方々にも有益なコンテンツになっていると思います。
◇スタートは「能力観の初期設定」から
物事に初めて取り組もうとするときには、大なり小なり、不安がつきまとうものです。
基礎力育成という大きな目標を掲げたわけですので、これを読んでいるあなたも、同じように不安な気持ちになっているかもしれません。
なかには、「うまく話せるようになるだろうか?」「指摘されるようなことを自分もできるようになるだろうか」と、心配する人がいるかもしれませんね。
でも、大丈夫!
あなたが本来スタートするべき地点は、もっと前向きなものであるべきだからです。
「うまく話せる」とか「うまく話せない」といったチカラの程度は、この際気にしないことにしましょう。
実のところ、あなたは、いろんな人としっかりと話をしているではありませんか。
そうです。
話ができるだけでも、すごいことなのです。
それは、「先天的な力」として、「過去(進化と歴史)」があなたに与えた天賦の才にほかなりません。生まれたときから、すでに「話すチカラ」の原型は与えられているからです。
あなたが出発するべき地点は、「話すチカラ」のみならず、「聞く、書く、読む」というすばらしいチカラをもっているという厳粛な事実なのです。
そのように、あなたの能力観を初期設定することが、能力グレードアップへの重要な第一歩なのです。
この「等身大の大学生たちー能力アップへのリアルな体験」は、「あなたには、すごいチカラがある」という事実を心に刻み、新しい能力観として初期設定するところからスタートし、「それをさらにパワーアップしていこう」という考えのもとで進められています。
◇「潜在的な力」を「実践的な力」に変える!
能力グレードアップへの次のステップは、あなたが生まれたとき、「過去(進化と歴史)の遺産」として継承した基礎的なチカラを「社会の中で生きていけるチカラ」に変えていくことです。
それらは、鍛え上げられるのを待ち望んでいます。
あなたに必要なのは、「鍛えようという意志」だけなのです。
それを持ちさえすれば、誰でも間違いなくパワーアップができるのです。
それは、次のような変化として示すことができます。
「聞くことができる」→「聞くチカラ」
「話すことができる」→「話すチカラ」
「書くことができる」→「書くチカラ」
「読むことができる」→「読むチカラ」
「聞く・話す・書く・読む」といった四つのチカラは、いずれもコミュニケーション能力のキホンであり、「仕事力・生活力」の原点でもあります。
しかも、それらの四つの力は、それぞれが独立したものではなく、お互いに関連しあっています。
土台がしっかりしていないと、その上になにかを積み上げていくことはできません。まずは基礎力を確固たるものにしていきましょう。それさえできれば、応用するチカラもついてきます。
鍛えるときに留意してほしいのは、「聞くチカラ」と「読むチカラ」の場合と「話すチカラ」と「書くチカラ」とでは、出発点となる心構えが異なっている点です。
「聞く」と「読む」は、相手の考えを「受信」するわけです。一番重要なのは、「あなた自身の集中力」です。
他方、「話す」と「書く」は、自分の考えを「発信」することです。「相手にとってのわかりやすさ」が大切です。
◇四つのチカラ+問題発見・解決力+アイデア力
このマガジンは、「聞くチカラ」「話すチカラ」「書くチカラ」「読むチカラ」「問題発見・解決力」「アイデア力」を鍛えるための記事と「ポイント整理の効用」についての記事、合わせて8つの記事から構成されています。
詳細については、それぞれの記事をご覧ください。
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