いちけん Ph.D. 🎓

名誉教授。歴史家。 テーマは「次世代に伝えたいこと」。 大学教員生活42年間で、 学生…

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名誉教授。歴史家。 テーマは「次世代に伝えたいこと」。 大学教員生活42年間で、 学生たちに伝えてきたことを、 わかりやすく講義します。 https://x.com/ichikenphd

最近の記事

「選べる」or「選べない」

「選ぶのは大変」と思っているあなたへのメッセージ。  今日は、どの服を着る? どの商品を買えばよい? 良いお付き合いができるのは、どちらの人? どの仕事、どの会社が自分に合っている?  わたしたちの生活って、本当に選ぶことが多いですよね。なかなか決めることができず、うんざりしたり、悩んでしまったりすることもまれではありません。「誰か決めてくれ!」と思いたくなることも。  でも、大丈夫!  「歴史というフィルター」を通して物事を見ていくと、これまでとは異なった見方ができ

    • 「見る」「書く」「読む」:進化と歴史の賜物

      ゲームの勝利に喜びを爆発させたときの表情。 家族の無事を確認できたときの安堵の表情。 思い通りにならなかったときの悔しさに満ちた表情。 どのような場面であれ、われわれは、顔の表情からさまざまな情報を読み取り、感じたことに応じて、いろいろなアクションを起こします。心を揺さぶられたり、ともに涙を流したり、喜びを分かちあったりするわけです。 動物なら、表情があるのは当たり前と思われるかもしれません。 しかし、動物のなかで「豊かな表情」をつくれるのは、「ヒト」と「進化したサルの

      • 「考える」と「話す」:チカラの源泉

        アメリカの天文学者カール・セーガンが唱えた「宇宙カレンダー」。  それによれば、宇宙の始まりを1月1日とすると、地球の形成は9月14日、地球上に最初の哺乳類が登場したのは12月26日、人類の誕生は12月31日午後10時30分となります。  悠久な人類の歴史も、宇宙の歴史を1年と見立てて計測すれば、たった「1時間半」、「歴史時代」は最後の30秒間。古代ギリシアの黄金時代から現在までの期間は、最後の5秒間でしかありません。  人類が作り上げた文明は、宇宙という視野ではほんの

        • なぜ働くのか?

          「なぜ生まれ、死んでいくのか?」という記事で、生物の「生と死」の理由や遺伝子のすばらしさを確認したあなた。  この記事では、①あなたの身体のすばらしさ、②生命を保証する生態系の仕組み、③働かなければならない理由について解説していきましょう。    身体はまるで「芸術作品」のごとしあなたの身体の出来栄えは、半端なものではありません。あたかも「芸術作品」のごとく実に精巧につくられています。  少し具体的に主な器官のすばらしさを述べてみましょう。  まずは脳。それは、「脳

        「選べる」or「選べない」

          なぜ生まれ、死んでいくのか?

          「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこに行くのか」  フランスの有名な画家ポール・ゴーギャン(1848~1903年)がのこした大作(1897年)のタイトルです。この世に生を受けたわれわれにとって、最も本質的な問いかけかもしれません。 彼が生きていた時代にあっては、宇宙・地球・生命・人類・環境などに関する科学的な解明はまだ不十分でした。そのような命題にアプローチするのは、非常にむずかしかったことでしょう。  いまでは、多くの科学者たちが、興味深い啓

          なぜ生まれ、死んでいくのか?

          「孤独というトンネル」を抜ける

          一冊の本との出会い多くの人が抱えている悩みのひとつに、「孤独」がある。 もし孤独から脱却できれば、あるいは孤独とうまく向き合えれば、楽な気持ちで生きていけるのではなかろうか。 私が「未来のためにできること」。それは、「孤独というトンネル」を抜けるための道筋を示すことだ。 大学に入学した頃の私。いつも暗い顔をしていたそうだ。 孤独感にさいなまれていたからである。   しかし、社会心理学者のエーリッヒ・フロムが著した『自由からの逃走』との出会いが、私を変えてくれた。   彼によ

          「孤独というトンネル」を抜ける

          あなたって、スゴイ! 

          はじめまして、いちけん Ph.D. 🎓です。   わたしが40歳を少し過ぎた頃の話です。 ある学生が私に質問しました。 「先生、人間って、なぜ生まれ、死んでいくのですか?」   わたしは、答えることができませんでした。 でも、いつの日か必ず、自分なりの答えを見つけたいと思ったのです。   わたしの専門分野は、歴史です。 その枠の中だけでは、答えを見出すことはできません。 生物学、文化人類学、脳科学など、さまざまな分野の本を読み始めました。   いま、「わたしなりの答え」にたど

          あなたって、スゴイ!