【高校野球千葉大会の優勝校予想#17】'23春大 事前予想の精度確認と考察
こんにちは。いちかわきです。
'23春の千葉県大会の全日程が終了したので、今回は(#13)で提示した事前予想の精度がどうだったのか、振り返っていきます。
事前予想の振り返り
事前予想のシミュレーション結果と実際の結果を照らし合わせたものをチームごとにまとめたところ、次のようになりました。(赤数字は実際の結果と一致する箇所)
勝利数平均誤差:0.60
('22秋:0.89 '22夏:0.64)
最頻値と実際の予想が一致したチームの数:32/48
優勝予想の的中率:32.3%(専修大松戸)
平均勝利数誤差を見ると'22夏、'22秋よりは精度が改善されました。春の予想は今回が初なので、他の年度の春大と比較しなければ傾向はわかりませんが、今大会は比較的番狂わせが少なかったという印象があります(特に3回戦以降)。
勝利数誤差が1.000以上だったチーム:
$${\begin{array}{l|clrcc} チーム名&誤差\\\hline中央学院 & 2.132 \\成田 & 1.837 \\八千代松陰 & 1.698 \\千葉日大一 & 1.517 \\専修大松戸 & 1.504 \\ 東京学館浦安 & 1.495 \\ 東京学館 & 1.274 \\ 習志野 & 1.167 \\千葉北 & 1.164 \\翔凜 & 1.138 \\ 船橋 & 1.053 \\ \end{array}}$$
中央学院のAシード、東京学館のBシード、千葉日大一のBシードあたりは事前予想からは外れた結果でしたが、中間予想では当てられていたので事前予想で2回戦の予想を外したのが結果的に痛手となりました。
秋大のときは「実際の成績が低かったチームほど誤差が小さくなりやすい」という大まかな傾向が見られましたが、春大も同様といえます。実際の成績と勝利数誤差の関係を散布図に表したものが以下の通りです。
(一部、チーム名がつぶれている箇所がございますがご了承ください)
誤差が1.200を上回ったチームに絞ってみれば、
春大のシード権を持っていながら2回戦で敗退したチーム
成田、学館浦安、八千代松陰春大のシード校を2回戦で倒したチーム
東京学館、千葉日大一、中央学院優勝チーム(専修大松戸)
のいずれかに該当していることがわかります。
1、2の誤差は純粋に予想を外したことが原因です。また2.のチームはいずれもBシード以上になっているため、「2回戦で負けると予想されていたチームが3回戦以降も勝ち進んだことで誤差が拡大していった」といえます。
専修大松戸の誤差に関してはもはや優勝チームの宿命といいますか、準々決勝から決勝まで高レートのチームとの対戦が多く、予想が割れたことが誤差の原因と考えられます。
そもそも専修大松戸の優勝確率が事前予想で323/1000だったので、残りの677回分の試行にはすべて誤差が発生していることになります。
また、ここでのシミュレーションでは秋季関東大会やセンバツの試合結果が考慮されていません。極論すれば、仮に専松が関東大会を初戦敗退してセンバツ出場を逃していたとしてもレートは同じ値になります。つまり専松のレートに関しては「真の値」よりも低くなっている事が考えられるわけです。
中間予想の推移
今回は中間予想を行うたびに「平均的中率」と「本命予想との一致率」を確認していましたが、その推移は次のようになりました。
$${\begin{array}{r|ccccclrccccc} &平均的中率&本命一致率\\\hline1,2回戦&60.3\%&8/16\\3回戦&85.4\%&8/8\\準々決勝&66.9\%&3/4\\準決勝&74.0\%&2/2\\決勝&57.6\%&1/1\\ \end{array}}$$
中間予想全体で最も精度が良かったのは3回戦でした。ベスト16以降はレート差の開いた対戦カードが多かったため、比較的予想しやすかった印象です。
以下、中間予想の推移を示したグラフです。
Aシード予想
事前予想から3回戦にかけて、八千代松陰に勝利した中央学院の数値が急上昇しました。
準々決勝の試合を単体で見ると、「市立船橋ー習志野」以外の試合は順当な結果であったといえます。
関東大会予想
関東大会出場確率(決勝進出の確率)については、「専修大松戸・木更津総合が有力」という予想が事前予想から一貫していました。
優勝予想
優勝確率についても一貫して専修大松戸が有力でしたが、千葉学芸、拓殖大紅陵、習志野というレートの高い相手との試合が続いたため準決勝まで数値は大きく伸びませんでした。
大会終了後のレート
春大の試合結果を反映した各チームのレートは次のようになりました。
(R1600以上のチームのみ抜粋)
※成績$${n}$$は以下を表します。
$$
\left\{
\begin{array}{lll}
n=0& (春大予選敗退のチーム),\\
1\le n\le 6& (春大n回戦敗退のチーム),\\
n=7& (優勝チーム), \\
\end{array}
\right.
$$
つまり
$$
\left\{
\begin{array}{lll}
n\le 2& :ノーシード,\\
n=3& :Cシード,\\
n=4& :Bシード,\\
5\le n& :Aシード. \\
\end{array}
\right.
$$
実際はこの散布図で省略したエリア(R1600未満)に、もっとたくさんのチームがあるわけですが、高レートのノーシード勢とシード校の力関係がなんとなくお分かりいただけるかと思います。
CシードのチームやBシードの中で比較的レートの低い千葉日大一にとって、脅威になりうるノーレートのチームとして成田、八千代松陰、銚子商業、東海大市原望洋、東海大浦安あたりが挙げられます。
また、今回の春大で本戦出場が出来なかったチームでも、千葉敬愛、学館船橋、市立柏あたりのチームは比較的高レートであるといえます。
2回戦~4回戦の間にこれらのチームとの対戦がある場合、投手の運用がよりシビアになっていくと予想されます。こればかりはくじ運次第です。
ぜひこのレート分布を頭の中に思い浮かべながら夏の抽選会を見ていただければと思います。ノーシード爆弾を引くチームは果たしてどこになるのでしょうか・・・?
今回は以上です。ここまでご覧いただきありがとうございました!!
あとがき
東京学館系列の3校(東京学館、東京学館浦安、東京学館船橋)の中で成績が最上位になるのはどこか、というのも毎年の密かな注目ポイントです。