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無かったことにしないで

分かりやすい実績とか
数字とか
すごい人の「あなたはすごい」という言葉とか
そういうものを求め続けていた。

分かりやすいっていうのは、
他の人から見てすごいと思われやすそう
納得してもらえそう
ということ。

他人が私を認めたら、
私は私を認められると思っていた。

でも、違った。
どれだけ人に「すごい」と言われても
心からそれを信じられなかった。
それは私が私を認めていなかったから。

ずっとずっとずっと
「私を認めて」って
私は私に叫び続けていた。

「朝、起きれた」
「朝食を食べれた」
「家を出る支度ができた」
「洗濯物を干せた」
「子どもを保育園まで送っていけた」
「会社に行けた」

そんな些細でありふれた行動を
無かったことにしてほしくなかったのです。

ほめるよりも前に、
私の行動は存在する価値があると
私は私に思ってほしかったのです。


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蒼樹唯恭
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