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若い子に嫉妬しない方法 【臨床心理士が教える3つのステップ】

<はじめに>若い子に嫉妬することは悪いこと?

仕事でキャリアを積んできたみなさん、
若い子が入社して嫉妬してしまうことはありませんか?
 
そして嫉妬してしまうことで仕事上の人間関係がぎくしゃくしたり、
嫉妬する自分が「私ってなんて嫌な人間なんだ」と自己嫌悪に陥ったりした経験はないでしょうか?
 
このように中堅以上の社会人が、若い子に嫉妬してしまうのは、よくあることです。
しかし、その嫉妬心が強くなると、仕事や人間関係に支障をきたすこともあります。
 
実は、そんな困った感情である「嫉妬」について、
心理学では適切な付き合い方があるのです。
 
この「若い子に嫉妬しない方法」を学べば、人間関係が良くなり、
自分のことを好きになり、安心した生活ができるようになります。
 
そこで、今回は、臨床心理士が教える、若い子に嫉妬しないための方法の3ステップをご紹介します。

若い子に嫉妬しない方法 3つのステップ

まずは、あなたが若い子に嫉妬しない方法を獲得するには以下の3つのステップを踏んでいくと良いです。

ステップ1 嫉妬心の構造を知る 嫉妬ってなんで起きるの?
ステップ2 嫉妬の種類を知る あなたは何に嫉妬している?
ステップ3 嫉妬しない方法を知る

それぞれについて、ここから詳しく解説していきます。

ステップ1 嫉妬の特徴を知る【嫉妬心の構造を知る】

そもそも嫉妬とはどういう感情なのでしょうか?
まずは嫉妬について知ることが大切です。

心理学者上杉先生(2005)によると、嫉妬という感情には以下の特徴があると言われています。

1嫉妬の感情は、自分の大切な人から愛情や好意を奪われたと感じた時に生じる
2愛情や好意は、自分がどうこうできるものでなく、大切な人の自由な意志で選ばれたもの
3嫉妬の対象は、自分の身近な人や、自分と対等な存在であることが多い
 
なぜなら、嫉妬への対処法を考えるときに嫉妬のどの部分からアプローチしていくか参考になるからです。

たとえば、あなたは40代の女性で、4月に新入社員として若い女性が入ってきて、他の男性社員が若い女性をちやほやしていて、あなたが嫉妬するとします。

そのとき嫉妬の感情の原因としては、他の男性社員に特別な好意がなければ1の「自分の大切な人から奪われた感情」は少ないかもしれません。

一方で、2のちやほやする男性社員に対してどうにかならないかとイライラが強いのかもしれないし、3の同じ女性・同じ会社の同僚として対等なはずなのにという劣等感が強いからかもしれないとわかると、どの側面からアプローチ可能か明確になります。

以上のように、嫉妬という感情がなぜ起こるか知っておくことが、解決策を実行するための第一ステップとして重要です。

ステップ2 嫉妬の種類を知る【嫉妬の発達的分類を知る】

今度は嫉妬しているあなた自身に視点を向けてみましょう。
同じような体験をしても、すごく嫉妬する人と嫉妬しない人がいます。
この「嫉妬する人としない人の違い」はなんなのでしょうか?
 
実はあなたの人生の発達の中でどの時期にどのような嫉妬体験があったかでも、嫉妬の感情が大きくなることがあります。
このことを確認することも解決方法を探るステップとして重要です。

心理学者上杉先生(2005)によると、嫉妬の出現には以下の発達的特徴があると言われています。

1才~4才
嫉妬体験の感情はもっぱら「父母の愛情が兄弟姉妹などに向けられた場合」に生じる。このことは、この頃の子どもが父母との関係を中心とする世界で生きていることと一致している。

5才~15才
子どもは成長するにつれ、父母との世界だけでなく子ども同士の世界もまた大切なものとなる。嫉妬の感情も「自分にとって大切な友達の好意が他の子どもに向けられた場合」に生じるようになる。

14才~20才
異性の友達との世界が大切になる。10才以降「行為を抱いている異性の好意が他の子ども(人)に向けられた場合」に嫉妬の感情が出現し、14才~20才の思春期・青年期には、このような異性・恋人に関係する嫉妬が主役となる。

また、物や能力へについても人は嫉妬します。

15才~17才
「自分も欲しい能力を親しい子ども(人)が持っている」ことへの嫉妬は9才以降に出現し、特に高校時代(15才~17才)に顕著に高まる。

なぜ、あなたの発達的な「嫉妬史」を確認すべきかというと、現在表出する嫉妬が、自分の人生の中でいつの時代の嫉妬か知ることができ、自分に対してどのようなアプローチができそうかわかるからです。

たとえば、先ほどの40代会社員女性の例でいうと、その女性の人生を振り返ったとき、
幼少期に父親の愛情を妹に奪われた経験があれば、高齢のベテラン男性が若い女性をちやほやするごとに、過去の自分の妹への嫉妬を思い出し不快なのかもしれません。

もしくはその女性が高校生の時好きだった同級生の男の子を、同性の親友に奪われた経験があれば、比較的同年代の男性が若い女性にちょっかいを出すときに、過去の自分の嫉妬を重ねるのかもしれません。

上記のように、自分の嫉妬の歴史や種類が知れると次の対処法のうちどのようなものを選べばよいか明確になります。

ステップ3 嫉妬しない方法を身につける


ここまでで嫉妬の構造と種類がわかったら、これから話す「嫉妬しない方法」から適切なものを選んで実践することが大切です。

なぜなら、若い子に嫉妬したままでいると、人間関係がぎくしゃくして仕事がつまらないものになってしまうし、あなたがこれからあなたらしく生きることや成長することを止め、人生を損してしまうことになるからです。

心理学においては、以下のような解決策があると言われています。

○自己信頼を強める
これは、感情の噴出を制止する、援助を嘆願しない、日常的課題を遂行することに意識を向けることで高まります。嫉妬をしなくなることと強い関連があります。

たとえば、「早く彼氏をつくって結婚して落ち着くことに力をいれよう。」と考えて行動することに集中する。そこまで考えられなくても嫉妬心を誰かに愚痴って「そうだよねえ」と100%受け入れられる経験も自己信頼を強めます。心に余裕を持つ、自身の充実をすることを考えることがよいということです。

○自己補強をする
これは、自己概念を直視したり、変化させること指します。嫉妬をしないようになる効果はありませんが、「ズーン」と落ち込んだした気持ちを緩める効果はあると言われています。

たとえば、「自分もチヤホヤされていた時があるし、十分可愛がってもらったから、もう譲ってあげよう。」と考えるなどがこれに当たります。
また、若い子に意識の焦点を当てライバル視するのではなくて、自分が若い子をお世話をするような気持ちになってみるのもいいでしょう。

さらに、この「自己信頼」と「自己補強」の2つが高まると、嫉妬の時に出てくる「怒り」を鎮める効果があると言われています。

以上の2つはご自身に対するアプローチになりますが、
ちやほやする人たちに対するアプローチもあります。

○選択的無視をしてやり過ごす
これは、自分の嫉妬感情や嫉妬の対象(若い子)を意図的に扱わないようにする行動です。嫉妬をしないようになる効果は弱いですが、一定期間やり過ごすのには有効です。

たとえば、ちやほやしている人たちに対して、冗談交じりで、「私、嫉妬しています」っていっておどけたり、「若い子には、随分優しいじゃないですか~」と責めながら笑いを取るのもひとつの方法です。

<まとめ> 若い子に嫉妬するのをやめて、自分らしく生きよう

今回は、臨床心理士が教える、若い子に嫉妬しないための方法の3ステップを紹介しました。
まとめると次の通りです。
 
若い子に嫉妬しないための3つのステップとは
ステップ1 嫉妬心の構造を知る 嫉妬ってなんで起きるの?
ステップ2 嫉妬の種類を知る あなたは何に嫉妬している?
ステップ3 嫉妬しない方法を知る
 
若い子に嫉妬しないための対応方法とは
○自己信頼を強める
○自己補強をする
○選択的無視をしてやり過ごす
 
今回お伝えした「若い子に嫉妬しない方法」を学べば、人間関係が良くなり、
自分のことを好きになり、安心した生活ができるようになります。

最後ですが、嫉妬についてカウンセラーとして別の視点でお伝えすると、嫉妬という感情には良い部分もあるのではないか?という考え方もできます。

あなたが嫉妬する人や物は、あなたが欲しい能力や物だったりします。
言い換えると、それはあなたの可能性でもあります。

例えば、若い子に嫉妬するとき、その「若さ」に嫉妬するのであれば、
あなたはもっとエネルギッシュになれる可能性があります。
「美しさ」に嫉妬するのであればより美しくなれる可能性があるとも言えます。

どうしても嫉妬をしないようにできないときはこのような考え方も頭の隅において日々を過ごしてみてはいかがでしょうか?読んでいただきありがとうございました。

<参考文献> 


上杉 喬ら(2002) 感情体験の分析-嫉妬・憎い・怒りについて 生活科学研究
中里 浩明(1993) 嫉妬と羨望の対処方略 -嫉妬と羨望の心理学(5)-  神戸女学院大学論

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