コミュ障でもできる! プロカウンセラーの関係づくりのやり方
<はじめに>医療従事者でもコミュニケーションに悩んでいる
こんにちは。臨床心理士のいちかです。医療系の大学で「心理学」の講師もしております。
「仕事上で人とどう人と仲良くなったらいいか?」と悩むことはありませんか?
日々授業をするなかで、医療従事者を目指す生徒であっても、人との関係づくりに悩んでいる人が多いことに驚かされます。
プロのカウンセラーは人との関係づくりを大切にしていて、とても簡単にできる関係づくりの基礎的なノウハウを持っております。
この関係づくりの基礎を学べば、仲良くしてみたい人にどうかかわるか、難しそうな相手と関係づくりをどのようにしていく当たりをつけることができ、コミュニケーションに自信が持てます。
今回はプロのカウンセラーが心がけている関係づくりの基礎的なノウハウをご紹介したいと思います。
仕事に役立つ人との関係づくりの基礎とは?
「目の前にいる人と関係づくりをしたいけど、何をしたら良いかわからない。」と戸惑うとき、意識しておくと役立つ関係づくりの基本があります。
それは以下の3つです。
この3つについてこれから詳しく説明していきます。
単純接触の原理
人は、その人と何回も接触するだけで、好意を持つようになることがわかっています。
なぜなら、何回も接触することで相手の存在に慣れてきたり、話したりすれば相手の事を知ることで未知の不安から安心へと心が動くからです。
例えば、あなたが人に話しかけるのが苦手で会話をすることが難しいなと感じても、仲良くなりたい人に頻繁に挨拶をしたり、その人の近くでお花の手入れをしてみたりするだけでも関係づくりをすることに効果があります。
このように関係づくりには、ただ何回も相手と接触することだけでも効果があります。
類似性の原理
人は、共通点があるとわかると好意を持つことがわかっています。
なぜなら、自分と同じ価値観を持っていることを嬉しく感じますし、共通点があると会話も自然と続くことを経験上わかっているからです。
実際、「私の趣味はマニアックで、人との共通点なんか見つからない」という人もいます。
しかし関係づくりが上手な人は「今日は暑いですねえ」「台風が来るかも。帰りが大変になりそうですねえ」とささいなことでも共通点を生み出すセリフで心理的な距離をグッと縮めることができます。また、なかなか見つからなくてもあなたが相手と共通点を探そうとしてくれること自体も相手に好感を与える効果もあります。
このように、相手との共通点を見つけることが関係づくりに役立ちます。
返報性の原理
あなたが、関係づくりをしたいと思った人に、何かをしてあげる行動に出ると、相手との関係づくりが円滑に進みます。
なぜなら人は、何かをしてもらうと「私も何か返さなきゃ」と心のバランスを取ろうとする心理が働くからです。これを「返報性の原理」と言います。
例えば、近所の方を訪ねるときは、相手の体調や忙しさがどうかなど、どのような状態であるかわかりません。そのため手軽なお菓子を持って訪問します。
そうするとたとえ相手の体調が悪くても、こちらが長居せずにサッと帰れば、嫌な感情は持たれませんし好意を持っていただけます。
「何かを与える」というのはモノでなくても構いません。重いものを持ってあげるとか、「あなたと会うと私も元気になります」というような言葉でも構いません。
このように人に何かを与えることが関係づくりに役立ちます。
話の聴き方の基礎
ここまでで、関係づくりが出来てきたら、相手と会話をするチャンスが増えてくるでしょう。すると今度は「仲良くなるためにはどんな話をしたらよいだろう」「私は話すことが苦手なんだよなあ」と悩むことになります。
しかし、心配することはありません。心理学の研究では、人は上手に話す人よりも、上手に聞く力がある人に好感を持と言われているからです。
また、上手な話の聴き方を考え始めると「どんなあいづちをしたら良いですか?」「どんな質問をしたら話が続きますか?」などの質問が来ることがあります。
しかし、話を聞聞く時には「言葉」以上に「態度」が重要です。
心理学において、初歩的な話を聞き方にはFELORの法則というものがあります。
次は人の話の聴き方の基礎を5つご紹介したいと思います。
これらについて、これから詳しくお話します。
Facing「顔を向ける」
相手が話している際に、聴き手が顔を横に向けていると、良い印象は与えられません。横を向いたり、下を向いたりすると、話し手が自分の話を正しく聞いているのかわかりにくくなります。そのため、「この人私の話に興味がないのかな...」と不安になってしまうこともあります。
相手に対してしっかりと顔を向けることで、「安心感」や「信頼感」を与えることができます。相手と向き合って話を聞くことで、相手が気持ちよく話すことができます。
Eye-Contact「目を見る」
コミュニケーションにおいて、アイコンタクトは非常に重要です。相手の目を優しく見守ることが大切ですが、長い間じっと見つめるのは自然ではありません。ときどき目線を逸らすのがベストです。
多くの日本人は、じっと見つめられるとプレッシャーを感じる傾向があります。必ずしも直接目を見る必要はありませんが、相手の口元や鼻などを見つめることで、「あなたの話に興味があります」という姿勢を示すことができます。
Leaning「前傾する」
話を聞く時は、少し身を乗り出すことが大切です。
これによって、「あなたの話を真剣に聞いています」というメッセージが相手に伝わり、話し手は「自分の話に興味を持ってくれているんだ!」と感じるでしょう。これにより、さらに話を続けたくなるかもしれません。
話を聞く時に、この前傾することができていない人が多いです。特に腰痛などを持っている方は身体が後傾になりやすくふんぞり返って偉そうにしている印象を与えるので注意です。
Open「心を開く」
関係づくりにおいて、あなたが「心を開く」ということも重要です。心は目に見えませんが、心を閉ざしている印象を与えり、腕組みや足組み、顔の前で合掌する姿勢は避けるべきです。
自分の顔や胸の前で手を組まずに、胸を開いて相手の話に耳を傾けましょう。話し手に向かって身体を向け、相手を受け入れる姿勢を全身で表現することが重要です。
Relax「リラックスする」
話を聴く上で最も重要なことはリラックスすることです。なぜなら、感情は相手に伝わるからです。この現象は科学的にも証明されており、ミラーニューロンと呼ばれる神経細胞の働きと関連しています。感情は表情や仕草などを通じて相手に伝わります。したがって、良い聞き手として、堂々として落ち着いていることが重要です。
緊張しやすい人は「リラックスするのが難しい」というかもしれません。しかし体の力を抜いたり、呼吸をゆっくりすることだけでもリラックスの印象を与えることができます。また、話を聞く時に立ち話から始まったら、お互い椅子に座ること、時間をきちんと確保することなどもリラックスする工夫になります。
<まとめ>簡単にできる関係づくりのやり方
今回はプロのカウンセラーが心がけている関係づくりの基礎的なノウハウをご紹介したいと思います。
まとめると以下のようになります。
これらを学ぶことで、人との関係づくりに迷わず、仕事が円滑に進んだり、気持ちよく生活することができます。
今回は、関係づくりや話の聞き方の基礎をご紹介しましたが、次はこの基礎ができてこそ効果を発揮する「プロカウンセラーの応答」についてご紹介したいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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