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”蛙化現象”が世間に広まる前の世界

「蛙化現象」って、ご存知ですか?
最近、テレビやSNSでもよく聞かれるこのフレーズ。

好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象を指す

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

最近は恋人の嫌な面を見て幻滅することにも使われたりするそうですが、もともとの意味としては上記のことを指します。
2004年頃論文で出たのがはじまりで、その後世間に広まったのは2020年ごろだったそう(参考:イミダス新・時事用語)。本当に最近生まれた言葉ですね。

私はこの言葉が普及する前、ずっとこの症状に悩まされてきました。
学生時代〜20代前半は、原因不明・症例なしの病気にかかったような気分でした。

片思いのとき、四六時中考えていたすきなひとのこと。それがいざ付き合い始めて1ヶ月〜3ヶ月ほど経つと、苦手なひとになる。
私の場合は、一緒にいると頭が痛くなり、気持ち悪くなっていきました。楽しいデートが、途端にデスコースです。
それでも残っている好きという気持ちのかけらと、迫りくる吐き気を天秤にかけて相手に大量の罪悪感を感じながらお別れをしました。

相手の方を突然傷つけてしまって、本当に申し訳ないです。

「気持ち悪くなっちゃうから、別れた」なんて友達にも言えるはずがなく、別れた理由を聞かれたときはいつもささいなできごとを寄せ集めて話していました。
これにより、友達からは「恋愛が長続きしないタイプ」「極度の飽き性」「理想を高く抱きすぎて、現実的に恋愛できてない」なんてシビアな意見・イメージを持たれています。

もし、私が今の時代に学生として生きていたら、
「◯◯くんのこと、あんなに好きだったのに付き合いだしたら急に気持ち悪く感じちゃったんだよね…」
なんて友達に相談して、「それ蛙化現象じゃない?」なんて返事があるのでしょうか。
周りに言わずとも、「私ってもしかして蛙化現象もち?」なんて思って、分析好きの性格から根本治療を目指していたかもしれないなあ。
反対に、免罪符のようにこの病名を使ってしまっていたかもしれないけれど。

どちらにせよ、あの頃は自分ひとりの問題だと思っていたこの現象に名前がついて、仲間がいるということ。答え合わせができたことに少し安心しているわたしがいます。

ちなみに私はいま、友だちのような、きょうだいのような、でもやっぱり恋人で家族の、あたたかい夫と幸せに暮らしていますとさ。
めでたしめでたし。

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