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「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に変換!
お願いごとをしたいときの好かれるひと言
まずは、誰かにお願いごとをするためのひと言です。「いかに相手に気持ちよく引き受けてもらえるか?」に頭を悩ませる場面です。そんなときは、まず「相手のスケジュールを聞く」「お願いしたい案件に必要なスキルや知識があるかを確認する」ことが大前提です。その上で「忙しくても引き受けよう」「やってみようと」思ってもらうには、どうしたらいいのでしょうか。上野氏は、よけいなひと言と、好かれるひと言の例を紹介しています。
×(よけいなひと言)ちょっといいですか?
◎(好かれるひと言)10分ほどお時間ありますか?
「ちょっといいですか?」が問題なのは、「ちょっと」の受け取り方が人によってまったく異なるからです。「3分」「30分」「1時間」をちょっとだと思う人もいれば、「食事でもしながら話した方がいいかな?」と思う人もいるかもしれません。「この時間感覚の違いが、人と人がすれ違う大きな原因になることが多いのです」と上野氏は書いています。こんな場面では「10分ほどお時間ありますか?」「明日のお昼までにお返事します」といったように、具体的な期限や期日を伝えるようにしましょう。
×(よけいなひと言)これ、なんとかならない?
◎(好かれるひと言)この部分がわかりにくいから、変えてください
「なんとかしろよ」といった漠然とした指示や命令をする上司ほど、部下にとって迷惑なものはありません。上野氏が相談を受けたケースでは、自分が作った資料に対して上司から「これ、もうちょっとなんとかならないのか?」と何度も突き返されたため、心を病んでしまった方がいたそうです。こうした事態を避けるためにも、上司は「この部分がわかりにくいから変えてほしい」「ここをこのように変更してもらえますか」と具体的な指示を出す必要があります。
相手に気持ちよく引き受けてもらいたければ、まずは自分から気持ちいいコミュニケーションを心がける努力をしたいものです。
【POINT】
頼みごとをするとき、漠然とした指示だとトラブルの原因に。何をどうすればいいのかを具体的に伝えることが大切
断る際の好かれるひと言
「上手に断ること」が難しいのは、「断ったら嫌われるかも」「断ったらもう次の仕事がこないかも」と心配になってしまうからではないでしょうか。そのせいで、できないことや、やりたくないことを無理して引き受けたことがある人も多いことでしょう。しかし「断る=拒絶」ではありません。ここでは、上手に断るためのコツを紹介します。
×(よけいなひと言)今ちょっと忙しいので
◎(好かれるひと言)今週は厳しいですが、来週でしたら
何か頼まれたときに「忙しさ」を理由に断ると「あなたのための時間はありません」と言っているのと同じで失礼にあたる、と上野氏はいいます。忙しいのは事実でも、「今週は厳しいですが、来週でしたら」と、いつまでならできるのか明示しましょう。忙しさ以外に断る理由がある場合は、まず「できない理由」を伝えて、「代案」がある場合は提案しましょう。
×(よけいなひと言)そのつもりはなかったので
◎(好かれるひと言)そういう認識はしていませんでした
「そのつもりはなかったので」は、自分の非を認めたくない気持ちから出てくる言葉です。しかし、言われた方は責任転嫁にしか聞こえません。こういう場合は、「そういう認識はしていませんでした」と伝えましょう。そして同じ失敗を繰り返さないために、「今後はどのように確認すればいいでしょうか?」と聞きます。「この仕事はここまでやればいいだろう」などと、自己判断で決めつけずに、確認する手間を惜しまないことがポイントです。
断る場面であっても、言い方を変えたり、ひと言添えたりするだけで、相手の受け取り方はずいぶん変わるのです。
【POINT】
断る際は代案があれば提案する。自分と他人の「つもり」がピッタリ重なることはないと認識すること
SNS・メールでの好かれるひと言
メールやSNSは、気軽に相手とやりとりができて便利な反面、対面の会話に比べて情報量が少なく、誤解を招きやすい一面もあります。
×(よけいなひと言)先日もお伝えしましたが
◎(好かれるひと言)説明が分かりづらくて失礼しました
わからないことがあってメールで問い合わせを受けたときなどのひと言です。「先日もお伝えしましたが」という一文からは「この前言ったよね?確認してないの?」という無言の圧力が感じられます。また「先日」の内容を相手が覚えているとも限りません。こんなときはあえてへりくだって「こちらの説明がわかりづらくて失礼しました」といった言葉をつけると、より思いやりのある親切な対応となるはずです。
×(よけいなひと言)バタバタしていて
◎(好かれるひと言)対応が遅れて申し訳ありません
「今ちょっとバタバタしていて」もよく聞くフレーズですが、いかにも落ち着きがなく段取りが悪い人という印象を与えてしまいます。一方、忙しさを言い訳にせず、「こちらの不手際で対応が遅くなり申し訳ありませんでした」と素直にお詫びする人は、誠実な印象を与えます。
【POINT】
相手への配慮や気遣いが感じられるひと言で、気持ちよく仕事ができる
※ 参考文献:『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(大野萌子著/サンマーク出版)2020年8月出版