コンタクトのトマト漬け、または『本当のこと』
わたしはずるい人間だから、絶対に怒らないという確信のある相手にしか『本当のこと』を言わない。
とはいえ嘘をつくだとか、自分を誇大広告のごとく大きく見せるということではない。
気の浮き沈みの大きな人の前ではただじっと微笑んで、なにも言わずに黙っている。それは処世術に近いものであると同時に、自分を生きづらくもしているのかもしれない。
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前にも言ったことがあるけれど、怒られることが嫌いだ。
叱られるのはいい。愛を感じられる叱咤もいい。アドバイスもいい。間違いを殴って止めてくれるのもいい。
ただ「怒る」という行為は別次元のものだと思っていて、それは振りかざした瞬間に人間関係が崩壊するほどの破滅的なパワーを持っている気がするのだ。
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