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大は小をかねたり、なねなかったり。



高いもんはいいもんだって、当たり前なんだろうか。



この競争社会の中で、一個の指標となる「価格」というもの。優劣を、可不可を決める要素。

それに踊らされるているような気がした、学生時代のお話。



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なんや小難しいことを書いてるみたいだけど、実はお酒が入ってる。へいへい。

アルコールは良いよね、安かろうとも頭はぷわ〜っと陽気になれる。

「お酒」には良し悪しがあって高い安いがあるけど、「アルコール」自体には甲乙はない。たぶん、知らんけど。


要は酔えれば良いのだ。呑兵衛理論。


だけどさ、そうもいかんものもあるわけです。

そう思っていた筆頭が「化粧品」。興味のない方にはごめんなさいね。でも結構面白いのよ、化粧品。



メイクをしない方だって、一度は見たことがあるでしょう。あのデパートの一階を大奥とかすあの高級化粧品ブランドの陳列を。

どーしてデパコスのカウンターってあんなに入り辛いんだろうね? 綺麗で意識高そうな人ばっかり。高嶺の花って感じ。いや実際はめちゃ優しいんだけど、お姉様方。

だけど憧れもあった。特に学生時代はね。



値段も質もガツガツに高いデパコス、持ってるだけで心が震えるんです。

初めて使ったのは友達に誕生日プレゼントでもらったイヴサンローランのリップ。

いやー震えたね。あの時言った「ありがとう」はたぶん「あ゛り゛が と゛ゔ」だった。

だって嬉しかったんだもん。この話を男性陣にしたら「男で言うと、初めてポールスミスのバック買ったときの感じかな」って言ってた。

言い得て妙。思い浮かべにくい人はそっち想像してね。


もちろんめっちゃ良かったよ。素敵すぎて使うのもったいなくて、でも持ち歩いてたから一回無くしかけてマジで泣きそうになった。

そうなってくるとさ、自分でも買いたい〜とか思い始めるんです。当時1000円前後のプチプラばっかり使ってたのにね。



でもぴっかぴかのコスメカウンター。目の前にして足が止まる。こっわ、美意識高い美人に囲まれて、なんか囚われの宇宙人みたい。

ほんじゃひとまずはドラッグストアの良いとこコスメを使ってみるか、と思ってゆるゆる手を出し始めて、初めて実感する。


「価格」というトラップ。


コスメブランドの名誉のために最初に言っておくけど、価格帯高めのブランドにはたぶん悪いものはほとんどない。良いものばっかり。

ただ合うものと合わないものは確かにある。

肌質だったり、季節感だったり。つまりは自分に合うかどうかが、最大のポイントだったりする。



わたしはこれが全く分かってなくって「高いもの買っときゃ良いんだよ、高いもの」と思ってろくに下調べもせずに買ったから大惨事。

よくよく考えたらわたし、敏感肌なんだった。

肌は荒れに荒れてまた別のやつ買ってさらに荒れ、ほんとあかんループにドン詰まり。


あ、これダメなんだって認めるのにだいーぶ時間がかかってしまった。だって高いもの買ったのになんで?って思うじゃん。さらに高いもの買えば治るかもって思っちゃうじゃん。

だけどそうじゃなかった。



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お風呂あがりのスキンケア。今の相棒はみんな大好きハトムギ化粧水。

全世界共通かは知らんけど、わたしの肌はあれを使っときゃとりあえず荒れない。ちょうどいーい感じを保ってくれる。


この「ちょうどいい」が日常には必要なのだ。


それが高いものだって別にいい。でも安いものだって別にいいんだ。

いい感じにしてくれることが最高の指標。


こういう感覚で生きていければ、貧乏もお金持ちも全部楽しい。

生きるのは楽しい。そんな気がしている。




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