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青春とわたしの舞台裏



「これは盛ってるわー」

そう思うことが、人生には幾度となくある。

テレビも、YouTubeも、隣の席のあの人の話も、きっと現実よりはいくらか色を付けてわたしのもとにやってくるのだろうなぁと。

かくいうわたしが書くエッセイなんかも、もう9割がた盛ってるのでは?と我ながら思うことがある。いつの間にか脚色が真実だと思っている、なんてことも。

だけどそれは別に悪いことではなくて、常に感受性を全開にして生きていたら疲れちゃうし、簡単に誰かに傷つけられちゃうし。

部屋の電気みたく適宜スイッチを切り替えて、ここぞってときに放出するような、そういうものでいいと思うんです。

たとえそれが「これは盛ってるわー」と思われたとしても。

たとえそれを「これは盛ってるわー」と思ったとしても。

世の中はそのくらいの方が、よりたくさんのものを受容できるんじゃないだろうか。

「これは盛ってるわ―」とあえて口に出すのは、そこになにがしかの文節を見たときや、建設的な会話が望めると感じたときくらいでいい。



つまりなにが言いたかったんだっけ。

そうそう、七屋糸のイメージが盛られすぎてるって話。



***



先日、こんなnoteが出た。


実はここ二週間くらい、わたしはうたたネさんと示し合わせてエッセイを書いていた。テーマは青春、それも思いっきりひねくれた方の。見方によっては灰色のやつ。

「自分はスカしてる」と言いつつ実は心に熱いものを持つ大阪弁男子・うたたネさん。

わたしは彼の文章が好きだ。きっかけはなんだったか忘れたけれど(わたしがナンパしたのかもしれない)、ちょこちょこnoteやTwitterでやりとりするようになって、わけあってふたつのエッセイが生まれることとなった。

その経緯をね、うたたネさんが書いてくれたんです。それがこちら。


えっ、七屋糸盛られ過ぎでは???


これはもしかしてハードルを上空3000mまであげられてしまったのでは?

あかん、これはええかげんなこと書いてバランスとらねば…と思ったほどだった。


***


あなたの青春は、キラキラしていましたか。


どうですか、虹色に輝いてましたか。炭酸水みたいに程よい刺激と喉を滑る甘さで満ちていましたか。シーブリーズの香りが頬を撫でましたか。

わたしはというとね、全然。そんなことありませんでした。むしろ真逆。なんかもう笑えるくらいひとりのときもあったし、無理して溶け込んだふりしてたときもあったな。

キラキラとは程遠かったよ、ほんと。

だからこの歳になって「青春なんてバックレてやったわ」みたいな気持ちがふっと湧いたりするわけですが、その気持ちを大爆笑で拾ってくれたのがうたたネさんでした。


そうして一緒に書くこととなったエッセイは、周囲の評価はどうあれ自分では果てしもなく気に入っていたりする。

ほら、内輪ネタってさ、楽しいじゃん。内輪ネタで滑ったんなら、ちょっとずつ外輪ネタとすり合わせしていけば良いんよ。たぶん、知らんけど。


ただ書いているときは、あのころ感じていた途方もない憧れとか、嫉妬とか、もやもやとか、ぐるぐるとか、馬鹿にしたい気持ちとか、でもやりきれにない中途半端さとか。なんかもう全部消化してやろうって思ったの。

そういう後ろ向きに全速力で走り出したくなる気持ちを、あなたに少しでも感じてもらえたら嬉しい。

わたしはもう今回以上に真剣に、不真面目に、面白おかしく青春について考えることはないかもしれない。そのくらいの気持ちで書いたエッセイでした。

個人なら「ま、楽しかったからいっか」で済ましちゃうところなんだけど、今回は合作だからね。宣伝しちゃうんだい。


最後に言うけどね、七屋糸、ロクなやつじゃないからね? たぶん世界が薄い青色がかってるうたたネさんフィルターを通したことでそう見えてるだけだからね。

あの薄い青色フィルターがね、良いんですよ、すごく。なんか、全部一回ぶっ壊したあとに再構築してくれた感じ。彼の書く記事が良いんです、すごく。すきなんです。




さて、舞台裏はこのへんで。



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七屋 糸
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