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2022年の振り返り/2023年の目標

暮れなずむ2022年の大晦日、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
こんにちは。当方、一福千遥と申します。
普段は「路地ひとつ隔ての異界」を指向した幻想小説をメインで書きつつ、短歌・五行歌を詠んでおります。
さあ今年も年末年始恒例企画、創作TALKの時間がやってきました!
この2022年を振り返ってみますと……
「何故ここまでいろんな企画やイベントに参加挙手したのか自分でもよう分からん」(ノンブレス)
の一言に尽きます。
個人的に過去最大規模でいろいろなイベントに参加しまくったため、一部記憶が混在している箇所もありますが、ひととき2022年の振り返りにお付き合いいただけましたら幸いです。

……と、ここから先がそこそこ長文なので、まずはジャンルごとのダイジェスト版からお届けします。

【小説】
折本掌編集を3タイトル、折本小説2タイトルと制作頑張りました!
また、アンソロにも2タイトル寄稿しています。
ペーパーウェルはもともと配信するつもりではいましたけれど、他の企画も挙手するとは……と、まず自分がビックリしています。
また、毎月の天鵞絨企画のテーマタグ、Twitter300字SSには小説を書くことそのもののモチベーション維持の面で、たいへんお世話になりました。

【短歌】
めざせなるべく一日一首、で1月10日から「うたの日」に投稿しています。
とにかく短歌を定形で詠むことを覚える、が今年の目標でした。
基本内向的な歌が多いのですが、思っていた以上にハートと音符、さらには評もいただけて嬉しかったです。ほんとうにありがとうございました!

【五行歌】
今年は2月から、Twitter五行歌グランプリに投稿していました。
こちらもまず詠むこと、をメインで活動していました。
受賞にはいたらなかったのですが、選評で当方の歌にふれていただいたこと、気づけば投稿皆勤賞だったことは励みになりました。
これからも助詞とブレスの位置、あと縦書きにしたときのうつくしさにこだわりながら、うんうん歌をひねっていくことにします。


……そしてここからが3ヶ月ごとの振り返りです。とっても長いです!

○2022年1月~3月
1月早々より、ヒガクレ荘の委託展示に参加しました。
ツイッターで煩いくらいCMしていたその裏で、小説に関してはだるーんモードで動いていました。
2021年末に発表しました「海づく島―みづくしま―」(アンソロジー『貝楼諸島より』参加作)が想定以上の難産だったのと、2021年のノベルバーを完走できなかったことを微妙に引きずってまして……
この期間は、小説とささやかでも繋がっていたいからTwitter300字SSと天鵞絨企画の月イチお題だけは参加しよ……ほんとうに気が向いてネタが降りてきたらたらタグ企画用に小話書こ……くらいのテンションでいました(その分ソシャゲはめっちゃはかどりました)
いっぽう短歌では2月に「短詩の風2022」、3月に「短歌桜」に参加しています。
個人的にはテーマが決まっていると詠みやすい(ゆえに自由詠が不得手)のですが、短歌むずかしいよ……と眉間に皺を寄せながら詠ませていただきました。
とはいえやはり、風と桜は好きなモチーフなのでテンションもあがりますし、これからも折にふれて詠めたらいいなあ、と思っています。

○2022年4月~6月
メモを見返すと、このあたりからオンラインイベントに参加申し込みをしていた記録がぽつぽつと。
5月【創作企画「#箱庭文学」】あわせで「いともはるけき、箱庭の翠」を書いたのですが、すこしテーマがずれているかな、と書き直したのが「言寄せ花の咲く庭で」でした。
明暗どちらに物語が転ぼうとも箱庭は浪漫。
同じく5月にペーパーウェル08「緑」に掌編集『Vert lointain』にて参加しています。
こちら、6月の第五回そこの路地入ったとこ文庫に参加しました折本掌編集『―café CEAS-』と……〆切が……ほとんど丸かぶりに近く……
ToDoリストとにらめっこしながらお話を作る事態と相成りました。
どちらも書いていて楽しかったのですが、『Vert lointain』のほうが「緑の硝子玉を使う」以外、他にネタが思いついてない状態からのスタートだったため、ネタ拾い(という名の現実逃避)でドライブ行ってました。そのときに見た景色が「行く手隠しの緑」という掌編のもとになっています。
6月のそこの路地入ったとこ文庫ミニに参加しました折本掌編集『―café CEAS-』・折本短歌集『珈宵』。
テーマ「カフェ」ということで、カフェ・チェアスの珈琲の味だけでなく間取りや内装をウキウキで妄想していました。ほんとに近所に欲しいくらいです。
『珈宵』では逆に、真夜中の珈琲というほのぐらさを意識しています。
Twitterでいただいた感想でも、『―café CEAS-』と『珈宵』のリンクに気づいてくださった方がいらっしゃったのがとても嬉しかったです。
……そして実は『Vert lointain』と『―café CEAS-』にもささやかなリンクをしのばせていたりします。
物語と物語とをつなげる「ささやかなリンク」大好きなので。

○2022年7~9月
6月。参加表明した「まだまだ!ジャンル迷子オンリー」のアンソロ「冒険」参加作、そろそろ出したいなー、書かないとなー、とやっているうちに、再びうだうだモード突入。ここでラッキーなことに、ぺらっとふぇすへの参加が決まったので、そちらのペーパーも……と思いつつ、どちらもネタはあれども形にならず、状態。
とはいえさすがに〆切が……という現実をつきつけられつつ、8月開催のぺらっとふぇす合わせで『バーとエルのステイアップ☆プランツ』制作。
はじめてのラジオ風ペーパーに仕上がりましたが、MCのバーとエルのふたり、私のなかではダブルボケなので、うっかりするといつまでもボケたおしてどこまでも迷走するので、A4サイズのなかで収拾つかせるのがそこそこ大変でした。
そんなふたりのラジオ番組を聴いたひとの話、で、ものすごい勢いでむくむく湧いたのが野生のぺらっと参加折本『WAKE UP☆PLANTS』です。これはほんとうに事前に書こう、と企画も何もしてなくて、休みの日の午後に思い立った勢いで一気に書き上げた、正真正銘の「野生」のぺらっとです。
その一方で7月開催の「文披31題」、こういう話が書きたい・物語にまつわる歌を詠みたい、という気持ちはあったのに完走できなかった……のがとても口惜しいです。
この三十一話と歌、いずれ腹括って腰据えて書きたいです。
8月にはもうひとつ招文堂さんの企画、いつもの文芸文庫に折本掌編集『FAVORITE SONGS』を置かせていただいています。
久しぶりに出かけた雑貨屋さんで目にした硝子玉にテンションが爆上がりして書いた物語たちです。
時を超えたささやかな繋がり、が好きなので、こうしたリンクはこれからも書いていきたいなあ、としみじみ思っています。
……そしてここで、「こういう話を書きたい」んだけど「小説としてまとまらない」を繰り返していた「まだまだ!ジャンル迷子オンリー」のアンソロ「冒険」参加作『ECKE』に転機が。
「話の骨格に添わせながら、昔やってたみたいに、マウリッツとリィのキャラ造形をインタビュー形式でやってみたらどうだろう?」
キャラありきで書き飛ばす、という、小説書きとしての諸刃の刃を矯正したくて、ここ数年は「自然発生したセリフ以外はプロット優先」で書いていたのですが、『ECKE』はキャラの立ち位置から趣味嗜好まできちんと言語化したのが良かったのか、マウリッツとリィへのインタビュー形式でのプロットを書いてみてからは、すんなり本文をまとめることができました。
そしてこの『ECKE』から、小説の設定についてプロットはプロットとしてふんわり置きつつ、キャラ造形の深掘り、というか小ネタ付妄想でキャラ把握していくスタイルにこだわりも抵抗もなく戻せたこと、どこかでホッとしている自分がいたりします。
「まだまだ!ジャンル迷子オンリー」、ものすごく企画が多く、個人的にはコートの中に立ったらサーブがガンガン打たれてくるイメージでしたが、「ここはなんかレシーブしないともったいない!」な気持ちで書いてました。
それがもう、めちゃくちゃ楽しかったです。あらためてありがとうございました!

○2022年10~12月
この期間、Twitterに固定していた「絲桐謡俗」参加表明ツイートです。

『10/28〜30「静マル@ PLAY BALL! CAFE」(委託)
10/29 ペーパーウェル09(折本)
11/5~6 第四回紙本祭
11/20  文学フリマ東京35
12/3 Our stories of LOVE〜みんなの大好き大集合!〜
12/11 そこの路地入ったとこ文庫ミニ回(折本)』

そしてここには記載していないけれど、ハッシュタグで参加可能な企画もあったりして……
ねえバカなの?! バカなの私!
……とあとで叫んだレベルで、ToDoリストが過密状態になっていました。
一週間に一度〆切が襲来するスケジュールでの執筆はもうやらんぞ絶対。

10月28〜30日にて委託参加しました「静マル@ PLAY BALL! CAFE」、相変わらずCMモードでしたが、他イベントと連動していたのが奏功していたのか、小説をお手にとっていただけてとても嬉しかったです。
あと個人的に、野球ボールあしらって作った自作のCM画像が気に入ってます。
10月29日に参加しましたペーパーウェル09「ハロウィン」(サブテーマ「仮面」)
この前にも「ハロウィン」テーマのツイノベやタグ、短歌ハッシュの「仮面」と重なるテーマがあるなかで書いたのが『Uno Teatro』です。
めずらしく掌編集ではなく、嘘か誠か一幕劇、がやりたくて書きました。
蝶と南瓜の丁々発止を書くのもひさしぶりに楽しかったのですが、プロット段階で語り手の一之瀬が延々と「俺の若い頃にはハロウィンなんてなかったぞ」と、三千字にわたりとうとうと語りだしたのをバッサリ切るのも楽しかったです。
11月5日の「第四回紙本祭」と、11月20日、3年ぶりの参加となる「文学フリマ東京35」
大規模なイベントのなかから「絲桐謡俗」を見つけていただき、頒布物をお手にとってくださって、ほんとうにありがとうございました。
このふたつのイベント、オンライン・オフライン双方ともに、今後の「絲桐謡俗」の活動方針やスタンスについて、いい意味でたくさん考えさせられました。
どちらも大規模なイベントというのに宣伝を尻込みしていたら、なかなか存在に気づいてもらえません。だから宣伝大事。
そして頒布についてはあれもこれも、と欲張った結果、「絲桐謡俗」としてここは! アピールしたい! というポイントがぼやけてしまっているのかな、と反省しました。
……で、思いついたことがあるのでちょっと試してみようかな、と実験してみたのが、12月3日の「Our stories of LOVE〜みんなの大好き大集合!〜」 での頒布スタイルです。
「LOVE」「大好き」をうたっているイベントなので、ここはもうあえて、作中に「好き」「いとしい」が前面に出ている4タイトルを推そう、と決めて出店しました。
結果としてはこれ大成功で、お手にとっていただけた冊数が歴代2位でした。
ほんとうにありがとうございました!
これに味をしめたので、来年は参加イベントごとに私的にテーマを決め、それに沿ったタイトルを推していくスタイルにします。
12月11日のそこの路地入ったとこ文庫ミニ回には折本掌編集『茶話会』にて参加しています。
「公民館」今風の言い方では「市民センター」という、若い方にはすこし馴染みのない舞台かな、とは思いつつ……短時分の世間話や来し方行く末のよしなしごとをぽつりとひとつ落としていく、ちいさな場を持てるひと、は現実の書き手の性格上絶対なれないぶんだけ、創作としてはやみくもな憧れがあります。
そこの路地入ったとこ文庫の折本会、なるべくならば掌編集と歌集を出したい、と思っていたのですが、今回はどう頑張っても掌編しか出せず……でもやっぱり歌集も出したかった、と #そこ文ネップリ タグで後出しジャンケンしたのが『茶菓』です。
そのとき食べたいと思った茶菓だけで構成されている歌集です。
なお、撮影後にお茶はかきもちとともに美味しくいただきました。
12月23日より発売の天鵞絨企画アンソロジー『隙間ニ潜ム妖精タチ』にはちいさな小説「かの手が触れし、追憶の色は」で参加させていただきました。

隙間ニ潜ム妖精タチ
https://veludoproject.booth.pm/items/4318471

歳月を重ねるごとに、手から滑り落ちていく本や記憶、はどうしても出てきてしまうのですが、それでも何故か歳月や紆余曲折を経ても手許に残るものがあり、そのいとおしさから連想した妖精です。
こちらは1月8日までの期間限定販売ですが、よろしければお手にとっていただけますと参加者のひとりとして、たいへん嬉しいです!
どうぞよろしくお願いします。

……ここまでつらつらと語りましたが、今年を振り返ってみたら、いかに「楽しそうだから書きたい参加したい!」だけとはいえ、後先考えずによくここまで……と思わずにはいられません。
出だしこそだるそうにしていましたが、後半はほぼダッシュしていたような気がします。

2023年は、2022年に突っ走った分だけ文箱に沈んだ小説や短歌をすくいあげてまとめたり、みなさまの作られた本や折本をじっくり読んで過ごしたいです。
のんびりまったりマイペースな創作を堅持すること。
これを目標に過ごしていきたい、と今のところは思っています。

ここまでおつきあいいただき、誠にありがとうございました!
みなさまどうぞ、良いお年をお迎えください!

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