浜ではちょうど引き潮という時分、山では団栗がさわさわと落葉の波を転がっていく。いずれ波は再び砂を揺るがせに還ってくるけれど、団栗は──そう眺める私の眼前で、ふわり、と鳥が一粒の団栗をかっさらい、からりと晴れあがった青空へと一直線に飛び立っていく。
さて、鳥と実の行方や、何処。

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