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「東大」を選んだ私たちの、これまで、今、そしてこれから(前編) 【12月19日開催 ichihime中高生向けイベント詳細レポート】

私たちichihimeは、日本における女性の進学・就職・ライフの選択肢を広げ女性が自信をもってリーダーシップを発揮できる未来を作ることをミッションに、東大卒業生と東大現役生で活動しています。

東京大学の女子学生比率は、いまだ「2割の壁」を越えられずにいます。もっと多くの女の子たちに、「東大」という選択肢を身近なものに感じてほしい。そんな思いを込め、今回の記事では現役の東大女子2名と東大OG2名のありのままの声をお届けします。

なぜ目指したの?どうやって合格したの?実際に入学してどう?そして卒業後は?
1人の人間として、迷って、選んで、歩んできた彼女たちの率直な言葉を通して、イメージでも夢でもない、選択肢としての「東大」を知っていただければと思います。

(この記事は、2020年12月19日にオンラインで開催した「Girls Be Ambitious~東大生と考える進路選択~」の内容をまとめたものです。ichihime初の中高生向けイベントでしたが、ゲストの方々の率直かつ濃いお話、そして中高生の皆さんの積極的な質問のおかげで大盛り上がりでした。全体の概要については、前回記事をご覧ください。)

話をしてくださったのは以下の現役東大生2名とOG2名です。
Oさん:法学部2年
Tさん:教養学部2年 文化人類学を専攻
Mさん:法学部を2020年に卒業し広告代理店に勤務
Sさん:工学部を2019年に卒業し商社勤務

〇「なにも決められなかった」から東大を選んだ? ~進路選択・受験~

―なぜ東大を志望したんですか?
O:中高一貫校に入学後、何となく医者になろうと思っていましたが、東大出身の官僚の方のお話を聞き、東大に対する漠然とした憧れが芽生えました。その後、自分は文系かなと思い、東大を出て官僚になるプランを自覚しました。親は私が医学部に行くという心づもりでしたし、娘には安定した職について欲しいという願いがあったのか、文系で東大に行くという選択についてはバトルしましたが(笑)、最終的には私の希望を認めてくれましたね。
T:私はただ学ぶのが好きだという気持ちがずっとありました。でもやりたいことや夢は全然決まっていなくて、周囲に引け目を感じていましたね。そんな状態のうちに学部を決めることが、今後の人生の方向性を決めてしまうようで怖かったんです。まずは大学に入って、学問の最先端に触れてから自分が突き詰めていける分野を決められたらと思い東大を志望しました。
M:受験を考え始めたのは高2の頃でした。中高5年間を通して自分が勉強好きだなと感じていました。それで、自分の好きな勉強で一番を目指したいな、と東大を志望しました。野球好きだから甲子園目指す、みたいな思考回路でしたね。法学部進学を見据え文一を目指したのは、「弁護士ってかっこいい!」という漠然としたイメージからです(笑)。
S:高2の頃はなんとなく早慶に行くのかなぁと思っていました。ただ、当時から宇宙が大好きで、そんな中、山崎直子さんが高校で講演してくださって、漠然と宇宙飛行士になりたいという夢を抱きました。宇宙を学べる大学は限られていて、東大を目指すことにしました。

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―どんな受験生時代を過ごしていたんでしょうか。まずは受験生にとって気になる模試の判定事情から!
O:高1の時はいい感じだったんですが、高2以降はAもあればEもある、というばらばらな感じでした。浪人時は基本的にはAでしたが、一回Cをとってしまい、その時は落ち込んでしまいましたね…。
M:高3の夏まではDやEばかりでしたね。目指したからには頑張ろうと、滑り込みました。
S:高2の頃はE判定しか取れませんでした。成績が悪すぎて周りにも東大を目指していることは言っていませんでしたね。高3でやっと自己最高のC判定。負けず嫌いが出て何とか合格しました。

―「判定で受かるんじゃない、当日で受かるんだ!」と言われても気にしてしまう判定ですが、励まされるお話でしたね。受験期はどんな生活をしていたんでしょうか。
T:地頭が良くない自分はとにかく努力するしかないと、今思うと狂ったように勉強していましたね。一日24時間、そこから睡眠6時間、食事は15分ずつで…そう考えると15時間くらいは普通に勉強できるじゃんって。そんなマインドで、タイマーかけながら食事していた記憶があります。これを真似しろなんて言わないし、自分にあったスタイルがあると思いますよ。ただ、「やり切った」という自信は重要だと思います。

〇東大生は意外と普通だけど、普通にすごい(笑)~東大生活・学問編~

―「東大生」って少し色眼鏡で見られがちですが、実際入ってどうですか?
O:「あ、普通だな」と。東大生を特集する番組は、恣意的に盛り上げようと特に個性的な人を選んでいることが分かりました。眼鏡、チェックシャツばかりかと思ったら、実際眼鏡もいれば裸眼もコンタクトもいる(笑)ただ、頭脳はみんなすごい。圧倒され、刺激になりました。

―なるほど。具体的にどんな場面で刺激を受けたのでしょうか。
「牧原ゼミ」という政治学のゼミでは、週1回、先生が指定した本をレジュメにまとめ議論するのですが、白熱しすぎて延長し、夜遅くなることもしばしば。先輩方のレジュメはまさに「知性の塊」でしたし、とにかくみんな頭が切れて熱意がすごい。牧原先生は高名な学者で、一年から直接指導を受けられるなんて東大ならでは、です。

―周りに凄い人がたくさんいる東大では、自信を持てなくなることもありますが、それ以上に自分も頑張ろうと刺激になる機会が多いですよね。

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―Tさんは、大学2年の夏に文転したんですよね。
T:東大には、2年生の夏に学部・学科を決定する「進学選択」という制度があります。それまでは、ある程度自分で興味のある授業をとることができます。その中で自分の進みたい分野を見つけ、2年夏までの成績を利用して進学先を決定します。
 私は文理幅広く興味があって、入学後いろいろな授業をとりました。その中で出会ったのが民俗学、簡単に言うと「普通の人の普通の日常を研究する学問」です。最初はどういう学問なのか全然わからなったのですが、教授に質問するととても丁寧に教えてくれて毎日メールでやりとりするように。どんどん面白さにのめりこんでいきました。「大学にはみんなが知らないような学問がたくさんある」ということだけでも知っていれば、将来の選択肢はぐっと広がると思います。

―なるほど。東大の制度を最大限有効活用していますね!先生方とのかかわりは魅力的ですね。
O:分野のトップの先生たちに教わることができるので本当に恵まれています。法律、政治は難しいと思っていたのですが、とても楽しく学べています。
T:私も民俗学を引っ張る凄い先生と、毎日メールで議論させてもらったり、学会に出させていただいたり…。もはや師匠と弟子のような濃い関係の中で、高校までとは全く違う深い学びをさせてもらっています。

(ここまで前半でした。後半は、次回記事をご覧ください。)

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