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7年後の東京五輪(白川道の言葉)

励まされる言葉というのがある。本の一節、新聞の片隅、あるいはTwitterのタイムライン、ドラマのセリフなど、日常生活の様々なシーンで飛んでくる。

今日のつぶやき再考も励まされる言葉が飛んできた日の話だ。

夕刊フジの白川道さんのコラムだった。2013年9月22日、東京オリンピック開催決定に日本中が沸いたころに書かれたものだ。

白川さんはハードルの「為末大さんの、かの言葉に刮目された」という。

かの言葉とは、次の言葉。

「この決定での一番の意味は、2020東京オリンピックのときに自分はどう生きているかを皆が想像したことだ」

この為末大さんの言葉で白川さんは「7年後の東京五輪を目標として書きかけの小説を完了させたい」という気持ちに変わったという。

7年という使い方次第では長くもなく、短くもない期間。その期間をどう生きるかが、ひとつの指標となった。

このコラムを読んだ俺も白川さんの、そして為末大さんの言葉を心に刻み、こうやってTwitterに上げたのだろう。

7年経った。東京オリンピックは開催が危うくなった。白川さんは2015年に亡くなった。

2020年にいる俺は目標を達成したかどうかというより、明確な目標を持ってこの7年間を生きたかどうかさえあやしい有様だ。

白川さんはいなくなったが、テレビではドラマ『竜の道』が始まった。おもしろい。当たり前だ。白川さんの原作だ。

競輪の『Winning Run』のコラムでは、白川さんの「事実婚のパートナー」だった中瀬ゆかりさんが一緒に競輪に行ったエピソードを披露している。

7年経っても、白川さんの世界は俺の回りに突然出現する。

そのたびに俺は切り抜いた夕刊フジのコラムを思い出す。

また次の7年を期してもいいのではないか、と励まされる。

刮目、触発、力のある言葉や文章は人に力を与えてくれる。

7年後は想像をはるかに超える未来だということは、コロナがよく教えてくれた。

もう7年後。

7年前とは見える風景も異なり、当然目標も変わってくる。

それでも7年後。

俺は66になっている。

その次は73だ。

その時に、もう7年後。

白川さんのコラムは俺を励まし続けてくれる。



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