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【房総太巻き寿司】次世代へつなげ!市原市の郷土料理

「わぁ〜!キレイ!」
子ども達の歓声とともに、出来上がった“房総太巻き寿司”。
カラフルで可愛らしい絵柄が目を引く太巻き寿司です。

五井駅西口にある料理教室、『ヘルシークッキング』にて取材をさせていただいた日は、親子体験教室が開催されていました。
市原市市制施行60周年の記念イベントの一環です。

初めて使う“まきす”に四苦八苦しながらも、目を輝かせて楽しんでいる子ども達。
筆者も一緒に参加させてもらいながら、代表の上田悦子先生にお話を伺いました。


房総太巻き寿司とは?

房総太巻き寿司は、農林水産省の『郷土料理百選』にも選ばれている、千葉を代表する郷土料理。
市原市市制施行50周年記念の際は『いちはらの宝50選』にも選ばれました。

カラフルな酢飯、干瓢(かんぴょう)、紅生姜、山ごぼう、玉子焼き、青菜などから出来ている、模様や絵柄が美しい巻き寿司です。
市原市で生まれ育った人であれば、一度は食べた事があるでしょう。

昔は冠婚葬祭の席では必ず、近所の女性達が集まって作っていました。
ところが近年、上田先生によると「房総太巻き寿司が市原市の郷土料理だと知らない人が増えている」そうです。


今はコンビナートが広がる市原市で、昔は海苔が採れていた!?

江戸時代後期より東京湾内房で始まった海苔養殖。
なんと、市原市でも明治33年頃より行われていたそうです。
料理教室に通われている生徒さんの中には、「祖父が海苔漁師だった」という方もいらっしゃいました。

コンビナートの建設のため、海の埋め立てが始まったのが昭和30年半ば。
それ以前の市原市は、海苔の一大生産地として栄えた時代もあったそうです。
海では海苔が採れ、百姓として米を育てる農家も多く、山の恵みにも溢れる市原市。
このような環境だったからこそ、特別な日のおもてなし料理として、房総太巻き寿司が盛んに作られたと教えていただきました。


これからもずっと愛される郷土料理に

昭和の時代は、房総太巻き寿司を作る習慣が続いていた市原市。
しかし現在は、食生活や生活環境の変化によって、作れる人は少なくなっているそうです。
冠婚葬祭で作るような風習も、今ではほとんど聞きません。
上田先生は、こうした状況を変えたいと精力的に活動をされています。

「子ども達に房総太巻き寿司の美味しさを知ってもらいたい!」
「市原市の素晴らしい郷土料理に誇りを持ってもらいたい!」
このような想いから、親子体験教室の開催に至ったそうです。

また、子ども達に興味を持ってもらえるような工夫もされています。
例えば、カレー味やトマトソース味などの酢飯、電車やチーバくんなど子ども達に人気のある絵柄の考案です。
キラキラと目を輝かせる子ども達の姿が目に浮かびます。

親子体験教室では、完成したら我慢できずそのまますぐに食べてしまう子も。
自分で作ったものは美味しさも格別ですね。
このような体験を通して、房総太巻き寿司に親しむ家庭が増えていき、この素晴らしい伝統を守る土台へと繋がっていくのを感じました。


まとめ

市原市の郷土料理である“房総太巻き寿司”。
「ずっと愛される郷土料理として、食べ続けてもらいたい!」
上田先生をはじめ、ヘルシークッキングに通う生徒さん達も賛同し、イベントへの参加等、活動をされています。

房総太巻き寿司のレッスンも毎月開催。
市原市内だけでなく、県外在住の方や外国籍の方も多数参加しているそうです。
手ぶらでOKの体験レッスンも随時開催しているので、まずは一度気軽に体験してみるのはいかがでしょうか。

料理教室 ヘルシークッキング
https://www.healthy-cooking.jp
市原市五井中央西2-2-5
サンパークビル3F
電話:0436-21-8599
Instagram

取材日:2023年8月25日
※記事の情報は執筆当時の情報のため、最新の情報とは異なる可能性があります。ご了承ください。


ライター:ナガシママ
市原市で生まれ育つ。
高校卒業後は学業や仕事のため地元を離れていたが、7年前にUターン移住。
現在は子育てをしながら、フリーランスで主にライター・デザイナーとして活動中。
第三回更級日記千年紀文学賞にて選考委員特別賞受賞。
https://www.lancers.jp/profile/nagashimaharuka
Instagram


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