わかりやすく説明します(コーリンベルト・着付けベルト)
このコラムでは「コーリンベルト」(着付けベルト)について書きますね。
コーリンベルトにまつわるお話は尽きないかもしれません。
たとえば。着付けの現場でのこんな会話。
「腰ひも4本、伊達じめは2本、コーリンはありますか?」
「コーリンがあってもなくても着付けはできますが、重ねえりがある時や留袖着付けの時にはコーリンがある方が着付けがしやすいですねぇ」
「そうですね。着物の寸法的にちょっと胸元がはだけやすいかもしれませんので、コーリンは2本ありましたら長襦袢と着物、両方に使いましょうか」
=コーリンベルト=
ゴム紐の両端についたクリップで着物の上前と下前をはさみ、衿もとの着くずれをふせぐ和装小物。
※コーリンベルトはコーリン株式会社が「登録商標」している商品です。
その他のメーカーのものは用途は同じでも名称は「着付けベルト」となります。
着物を着付ける時には、胸元をフラット(平ら)にして凹凸を無くした方が、きれいに、着くずれなく着られます。
逆に、カップ付きのブラジャーやブラトップをつけたまま着物を着たりすると、はい、ご想像の通り。おさまりが悪くて、胸元がピシッとキマらないんです。
(できるだけ和装ブラやさらし等で胸元のボリュームをおさえたいです)
ひとそれぞれ、体型が違います。補正でなんとかできるとよいのですが・・・
そんな時に助けてくれるのがコーリンベルトです。
他にも、重ねえりがあるとき、留袖など比翼(ひよく)がついた着物のとき、ひもの本数が足らずに胸ひもなしで着付けするときなどに、コーリンベルトがあれば便利です。もっと言えば、おはしょりの背中部分を美しく仕上げてくれる役割もあります。
ここからは、コーリンベルトに関して気をつけることを書きますね。
ゴムやプラスチック素材の「劣化」の問題は、コーリンベルトにも起こります。
おうちにあるコーリンベルトは、ゴムが伸びていないでしょうか?
クリップ部分は、劣化していないでしょうか?お母さんやおばあちゃんが使っていたものは、年月が経っているので、特に要注意です。
プラスチック素材は、長い年月のあいだに劣化して、さわっただけでポロリと欠けてしまうことだってあります。ご準備する際には、ゴムの状態とクリップの部分を、開けたり閉じたりしても大丈夫な状態なのかしっかりご確認くださいね。
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