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あずかりやさん 大山淳子
あらすじ
こんぺいとう商店街の西の端に位置している「さとう」と暖簾がかかっているお店、昔は和菓子屋だったがいまは「あずかりや」をしている。どんなものでも1日100円、先払い。指定した日数をすぎると預けた品物は店主が処分してくれる。
店主は目が見えないので預かった物を見ることができないためか、不思議な店なのにお客が訪れる。
ここからネタバレ含む感想
両親がいなくなり、一人残された店主がひらいた「あずかりや」でのお話。
人は、ちょっと預かってほしいもの、処分しなくてはいけないけれど自分では処分できないもの、処分するかどうか迷うもの、処分できないけれど自分の手元にはおいておきたくないもの、いわくつきなものを預かってくれるのがあずかりやで、そこへは迷っている人々が訪れるそんな不思議なお店のお話でした。
語り手がお話ごとに入れ替わり、人だけでなく、のれん、自転車、ガラスのケース、白い猫と人間以外も語り手を務めているのでちょっとファンタジーな要素も含まれているようなお話です。
店主は、目が見えないので、この店で時折お客さんの話を聞きながら、唯一お客さん以外でお店を訪れる相沢さんが作る点字の本を読みながら店番をしています。店主の生い立ちの詳しいことは出てこないのですが、何かいろいろあったような雰囲気だけ時折出てきて、それでも穏やかに何もかも悟っているような人物で、どこかお坊さんのような雰囲気を感じました。
この1冊だけでも初めの方で登場していた小学生が終わりでは大人になっているのでかなり年月が経っていることが伺えますが、シリーズとしていろいろ出ているようなのでそちらも読んでみたいです。