彼女の色に届くまで 似鳥鶏
あらすじ
父が画廊のオーナー、母が画家という家に生まれた緑川礼は幼いころから絵の才能に恵まれて将来は画家になるつもりだった。しかし、年を重ねるごとに才能は思った程なく普通の高校に進学することになる。そこで、出会った千坂桜、彼女に会って本当の天才というのを目の当たりにする。
ここからネタバレ含む感想
ジャンル的には、「日常の謎」、絵にかかわる不可能な状況を千坂桜が探偵役となって解いていく。語りは、緑川礼、あふれるばかりの才能はないが普通の人よりは絵の才能あり、千坂桜と出会って彼女を絵の世界へ引き込み、彼女が唯一、気を許しているように(見える)ポジションをキープすることができる。千坂桜は特待生で高校へ入学し、金銭面ではかなり苦しいようだが緑川は一緒に美大へ進むように誘う。
緑川と千坂桜それから友人の風戸の3人はちょっとした事件に遭遇し、不可思議な状況を千坂桜が解き明かす、最初ガチの恋愛ものなのかと思いながら読んでいたのですがさにあらず。単に「日常の謎」でもなくてそこからさらに一段事件に深みが増すのが似鳥さんらしいところかもしれない。このストーリー展開でどこへ着地するのかと思ったらそうゆうところか…と思いました。
細かいですが、いつもついている欄外の注が今回一段面白くて、この作家さんどのくらい下調べして書いているのかな…と感心しました。コメントも楽しいです。
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