傷痕のメッセージ 知念実希人
あらすじ
外科医局に入り3年目の水城千早は、研修のため1年間病理部へ出向となった。そこで、指導医となったのは大学の同期の刀祢紫織だったが、千早は紫織が苦手で病理部にもなかなか馴染めなかった。
そんな中、千早の大学病院に入院していた父・水城穣が亡くなった。父が亡くなった後、父の弁護士から父が生前、死後に解剖を希望していたと聞き戸惑う。そこへ病理解剖の説明をするために現れた医師を見て千早は驚く、苦手な指導医の紫織がいつもとは違う姿で現れた。
ここからネタバレ含む感想
父の遺言に基づいて病理解剖に同意した千早は自らも病理解剖に立ち会う。そこで見つかったのは、父の胃の中に書かれた謎のメッセージだった。わからないことだらけで混乱していた千早は、父の訃報を聞いて病院へ駆けつけたという刑事の桜井と会う。桜井の話では、父は以前、刑事の職についていてある事件がきっかけで刑事の職を辞したと聞き出す。
生前は、母が亡くなってから父とは距離ができていて親子らしい会話もなかった千早は知らない父の話が次々と出てきて驚くが自分と父の距離感を強く感じる。
父のメッセージが、連続幼児殺害事件に関することだとわかり、紫織と二人でこの事件について調べ始める。その頃、この連続幼児殺害事件と同じような手口で殺人事件が起こる。
そこまでして、父が伝えたかったメッセージは何か。親子の絆がテーマかなと思いますが、なんで胃の中???の部分が結構重要なのかな…、あれこれ死の前に準備を進めていた父なのに娘が解剖に立ち会うという可能性を考えなかったのは落ち度かなと…。(ここだけ、気になりました。)
おなじみの桜井刑事も登場で、少しずつ事件が判明するのですが、小鳥遊先生の名前も出てきたので、あの方が登場すればもっと早く事件解決になったのかな…と意地悪く考えたくなりました。いろいろな作品に少しずつ、知っている人が登場するのは読んでいてニンマリもしてしまいますが…。
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