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答えは市役所3階に 辻堂ゆめ


あらすじ

新型コロナウイルス感染症流行の状況を受けて立倉市は市役所3階に「2020心の相談室」を開設した。そこを訪れるのは、新型コロナが原因となって、人生が変わってしまった人々だった。
人々に寄り添うように相談に乗るのは、臨床心理士の晴川あかりと認定心理士の正木昭三の二人。初めての相談者は高校生の白戸ゆり、進路についての悩みを打ち明けるが…。


ここからネタバレ含む感想

短編5話、コロナ禍での悩みを持つ相談者が「2020心の相談室」にいろいろな相談を持ち掛ける。各話の最後に晴川と正木の会話が入っていて、晴川の洞察から本当に悩んでいる真相が明かされる「日常の謎」使用になっています。
相談員の晴川はベテラン相談員、正木は退職後に臨床心理を学んだ新米相談員で相談員としての力量には差があるようだったがどちらも相談者に寄り添った対応をしているのでこんな相談室があればさぞかし混むだろうな…と思った。実際に最初の閑古鳥から最後の方はなかなか予約のが取れずに相談員の増員が決まっていた。
作中には詳しく出てこなかったのだが相談員の晴川はなにか嗅覚のようなものがあって、相談者が相談を終えて問題が良い方向に向かった後に事の真相を語るという形式になっている。相談者の些細な言動の矛盾から真相を見抜く探偵でもあるが通常のミステリーものとは違いだから何かするということはなく相談者の話を聞くだけなのでその辺りがより真相にリアリティを添えている気がした。

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