ヨモツイクサ　知念実希人

あらすじ

外科医の佐原茜は家族が神隠しのように消えてしまい孤独な生活を送っている。そんな茜のもとに姉の婚約者だった小此木が訪ねてきた。茜の一家の失踪に関連がありそうな事件が起きたという。その事件は、ある工事現場の作業員が姿を消したとのことだった。この事件は、ヒグマによって起こされた可能性があるのでヒグマの捜索が行われることになったというが…。

ここからネタバレ含む感想

感想を一言でいうと非常に読後の後味の悪い物語でした…。
知念さんのお話の中では、「あなたのための誘拐」に匹敵する後味の悪さでした…。面白かったですが…。
さて、家族を突然亡くした茜はその家族がどうして消えたのか…これの真相解明を望んで、姉の婚約者の小此木や法医学を専門にしている四之宮の協力を得て真相を解明しようと動きます。
場所は、北海道の美瑛付近の森、昔から禁断の森とされていて近くの住人は近づかないような場所にリゾート開発のための工事が始まりますがその工事の作業員が行方不明になるところから事件がはじまります。作業員の宿泊所は大きく荒らされていたようでヒグマに襲われたのではないかと考えられるのですがそのヒグマが死体となって発見されるのでさらにヒグマよりも強い何かの存在が明らかになってきます。
いやー、ジャンル的にはホラーではないかと思うのですが、医師である知念さんが描いているので状況が理路整然と説明されていて、その辺りでさらにゾッと背筋が寒くなるような感じがありました。なんか怖い生物では終わらないあたりがなんとも言えずよりホラーでした。最後の真相のところで、私はわからないけどなんとなくスッキリしないなぁ…と思いながらページを開いてしまったので「そっちか！！！」と一気にそれまでの話がひっくり返てしまったので、より背筋が寒い…。
最初に書いた、読後が悪い作品なのですがさらに続くのかな…続くとなるとどうなるのか、絶滅するのか、逆に大繁栄してしまうのか…どちらだろう…。