悪魔を殺した男　神永学

あらすじ

警視庁内部監査室につとめる永瀬圭太は、警視庁総務部長の小山田に呼び出され、刑事でありながら4人の人間を殺害し現在、精神病院に収容されている同期の阿久津の不思議な能力の真偽について調査されるように依頼される。調査のため、かつて阿久津が所属した特殊犯罪捜査室の天海志津香に同行することになる。天海は阿久津とコンビを組んでいて、現在も阿久津の助言にもとづいて捜査を進めることがある。今回の事件では、頭皮を剥がれされた遺体が発見されその遺留物の鑑定で阿久津に面会に行くが…。

ここからネタバレ含む感想

悪魔シリーズの第2弾。語りが入れ替わりながら事件が進んでいくので、視点が次々変わっていく。ときどき、語り手不明の箇所があるけれど、ここが犯人に結び付くポイントになっているのかな…とも思った。
さて、今回は頭皮を剥がされた状態で見つかる殺人事件がメイン事件になっています。果たして犯人は…となるのですが、読んでいるとどんどん語り手が変わっていくので誰が犯人なのかがわかりにくい。読み終わってから関係図を描くとわかりやすいのかな…とも思いました。
主役は前作からの続きで天海とそれから今回から登場した永瀬の二人がW主役になってるのかなと思いました。（違うかな…。）
阿久津がつかまってから、天海はかなり無茶な捜査も行っているので捜査関係者からは「魔女」とあだ名され、風当たりもより強くなっているようですがそれでも自らの捜査手法で突き進んでいきます。ただ、戦闘力がやや弱いので単独で犯人と対峙すると負けてしまう…何回か同じような状況に追い込まれるので、さすがに何か対策必要でしょうと…軽く突っ込みたくなります。
さて、今回の物語は、本当の黒幕は誰か？初めの方でフラグを立ててみたら珍しく（笑）、当たりました。別の作家さんの他の作品で同じようなシチュエーションの犯人がいたのでそちらのイメージからかもしれません。
今作のラストはかなり衝撃で、えっ途中のあれやこれやはいったい何だったのか…、いつから計画されていたのは、そして、なぜそんな計画を考えたのか、この辺りは次作で出てくるのかなと期待しています。