あずかりやさん彼女の青い鳥 大山淳子
あらすじ
どんなものでも1日100円であずかっているあずかりやに持ち込まれたのは、キリンのぬいぐるみ。持ってきたのは、母親に連れられた娘で、娘は100円の代わりにおはじきで代金を支払った。しかし、そのときぬいぐるみからノミが飛び出し、それを見た母親な娘を連れて怒って帰ってしまう。
そのノミはあずかりやで飼っている社長と呼ばれている白猫についていたノミだったが…。
ここからネタバレ含む感想
語り手がいろいろ入れ替わり、あずかりやという変わった商売をしているお店の物語です。
今回の語り手は、ノミ、おばあさん、青い鳥、原稿、掛け時計と多彩なラインナップです。それぞれの話は短編の作りなのですが、あちらの話とこちらの話の中のエピソードが時系列を前後して少しずつつながっていて全体として一つの物語にまとまっているので、ある話で少しだけ触れられていたことが別の話でネタバレのように出てくるのでそのつながりを読んでいくのも面白いです。
このお話を読んでいると、小説の形というのが一つではなく工夫次第でいろいろな視点で、いろいろな物語が作れるのだなぁと改めて思いました。