ラプラスの魔女 東野圭吾
あらすじ
温泉地で硫化水素による中毒死が起きた。その調査を依頼された地球科学を専門とする青江は現地に赴いて調査したが、硫化水素の濃度は中毒死を起こすほどではなかった。しばらくして、別の温泉地でも硫化水素の中毒死事故が起きた。新聞社の依頼で調査に向かった青江は前の温泉地で見かけたのと同じ少女を見かけ声を掛けるが…。
ここからネタバレ含む感想
原作として映画にもなっています。
二つの温泉地で起きた硫化水素の中毒死事故、しかし、二つの現場に同じ人物がいたり、死亡した人に映画関係者という共通点があることから青江は疑問を持ちます。最初に中毒死した映画監督の残したブログから、少女の素性にたどり着いた青江でしたが、そこには国家プロジェクトとも関連がある大きな人体実験が隠されていました。
この作品のキーワードは人工的に超越した能力を身に着けた人がテーマになっています。不思議な力を持っていなくても、超越した能力(この場合は、計算力?シミュレーションの能力になるのかな…)を持つとかなりの正確さでいろいろな事象を予測できる。きっと、スーパーコンピュータをいつでもどこでも使える状態で、すごい速さで情報をインプットできれば同じくらいのクオリティで予測できるのかなと読んでいて思いましたが、そんな高速でインプットできないからなかなか難しいのかな、この本が書かれた2015年はまだ無理だったけど、現在なら実はできるのかな…と考えながら読んでいました。
この話、前に一度読んでいたのですが話が記憶に残っておらず、地球科学の学者、超能力のある少女、硫化水素の事故死くらいのキーワードしか覚えていなかったので最初から読んだような不思議な感覚で読んでしまいました。以前読んだときは一気に読んだような気がするのですぐに忘れてしまったのか…齢のせいか…。ちょっと気になるところですが他の本もちょっと読み直してみようかなと思いました。