神さまのいうとおり 谷瑞恵
あらすじ
高校生の住吉友梨は、母の実家に引っ越した。仕事を辞めて専業主夫をしていた父が、農業を始めることになったからだった。母の実家には、ひいばあちゃんが住んでいて、友梨は小さい頃、預けられたことがある。そこで、知り合った地域の子どもたちとまた再会することになった。
ここからネタバレ含む感想
田舎に伝わる言い伝え、「橋の下で拾った」、「縁側から出たら縁側から家に入る」、「お稲荷さんに願うと猫が来る」、「小鬼のいたずらを止めるおまじない」、「疳の虫」、「背中を守る糸」をテーマに語り手が入れ替わりながらそれぞれの心の中にしまってある小さな不満や不安を解きほぐしていく物語である。
友梨の一家を中心にその周辺の人たちのほのぼのとしながらどこか不思議なお話です。だれもが、ちょっと心が疲れた時にイライラしたり、尖ってみたり、不安になったりと弱っているときに読むと少し心が温かくなり、ちょっと見方を変えてみようかな…と感じられると思います。
ネタ探しが難しそうなので、続編は難しいのかな、友梨と瑛人のその後どうなるのかも気になるのですが…。
考えてみれば小学校・中学校同じでも高校が別々になるとそれまで仲よく遊んでいた友達とも少しずつ疎遠になってしまうので現在連絡を取っている人も少ないなぁ…と改めて思いました。友梨の住んでいる地域は同級生も少ないようで、高校が別々になっても時々みんなで集まって、友梨は小さい頃少し遊んだだけなのにその中に自然に入ることができて、そんな友人関係も少しうらやましく感じられました。