サーカスから来た執達吏 夕木春央
あらすじ
大正15年、樺谷子爵は資産家の祖母からもたらされた資産を震災で失い。残りの資産は山師たちに騙されて莫大な借金を抱えていた。そんな子爵の元に貸主の晴海商事の使いがやってきたが、その使いはユリ子と名乗る少女だった。話を聞いたユリ子は震災で亡くなった絹川子爵の財宝をさがすと言い出し、娘の鞠子を連れて行く。
ここからネタバレ含む感想
ユリ子につれらて鞠子は、晴海商事社長の邸宅の脇にあるユリ子の住処へ連れて行かれる。そこからユリ子と二人で絹川子爵の財宝を探すことになるが、鞠子の姉が嫁いだ箕島伯爵から樺谷子爵の借金を肩代わりする代わりに鞠子を養女に迎えたいと申し出がある。
最初は、ユリ子が突拍子もない申し出をしたところから話が始まって、絹川子爵の財宝探し、それがいつか鞠子の身の振り方の話になってなにか隠し事がたくさんあるけれどなかなか真相がつかめないそんなお話でした。
この本を読む前は、タイトルと表紙絵から横溝正史の世界観を彷彿とさせる少しおどろおどろしいお話かと思っていたのですが、文章も読みやすく、キャラクターも個性的でなかなか面白いお話でした。
しかし、ユリ子は思い付きだけで突っ走っているように見えて実はメチャクチャ先まで見通して行動しているのかなと思うとどこからこの筋立てを考えていたのかなと感心しました。少し分厚い本ですが、お時間のある時に一気読みをお勧めします。
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