バルーン・タウンの殺人　松尾由美

あらすじ

人工子宮（AU）が開発され、女性は出産から解放された。しかし、昔ながらの出産を望む女性のために東京都第七特別区（通称、バルーン・タウン）が設置されそこは妊婦のための様々なサービスが提供される地区になった。
その特別区の住人が犯人ではないかと疑われる殺人事件が発生し、上司から「男の刑事よりは歓迎されそうだ」という理由で江田茉莉奈はバルーン・タウンに派遣される。

ここからネタバレ含む感想

SFの要素を含む末来の物語でした。登場するのは主に妊婦さん、その妊婦さんの中で探偵役なのが茉莉奈の大学の先輩である暮林美央です。
4話構成で、第1話は殺人事件ですが、残り3話は日常の謎的な事件です。
妊婦さんがたくさん登場する以外は、ミステリーに当たると思うのですが、妊婦さん独特の姿や行動パターンなどが端々に出てくるのと、妊婦さんオンリーの地区という特殊な環境の為に起こった事件もあります。
ホームズを読んだことがある人なら、3話の亀腹同盟はかなり楽しめるのではないかと思いました。（私も読んでいましたが、結構前だったのでパロディの元になっている話を正確に覚えていなかったのですが、覚えていたらもっと楽しめたかも…）
ちょっと変わった設定なので、そちらに気を取られることが多いのですがミステリーとしてもきちんと構成されているので楽しめます。