通夜女 大山淳子
あらすじ
就職活動に失敗した小夜子。一方、弟は幼馴染の女性と結婚式を挙げていた。気持ちが沈んだまま、目について通夜会場に入った小夜子はそこで読経と木魚の音に癒される。そこから、小夜子は葬儀場の通夜に忍び込むようになる。その会場である老婆と知り合うが…。
ここからネタバレ含む感想
中学受験を勝ち抜いて、大学まで順調に進んで小夜子だったが、就職活動で躓いてしまいそのまま引きこもり生活になる。偶然入り込んだお通夜の席で癒しを感じたことから見知らぬ人の通夜に忍び込むようになる。そして、そこにはもう一人忍び込んでいる老婆がいた。自分や老婆のようなものを通夜女(つやめ)ということを知った小夜子。老婆に弟子入りを申し込むが断られてしまう。そして、ある会社が通夜にサクラを派遣する事業を始めたことから通夜に行けなくなってしまう。
人生順調だと思っていたら思わぬところで躓きそのまま進めなくなってしまう主人公の小夜子、弟は順調に人生を進んでいるし、中学受験で落ちた同級生は今は海外留学するくらい順調に人生を歩んでいる。
そんな小夜子を癒してくれたのが通夜だったが、それも阻まれてしまう。しかし、その通夜で知り合った老婆と接するうちに心にいろいろ変化が現れ、ある事件をきっかけに再び社会に戻ることができる。
なかなか深い話で、こんな人世の中にいるんだろうなぁ~と思ったのと、実家の付近は香典を持たずに参列だけするということも可な地域だったので場所によっては難しいという地域もあるんだな…と地域性について考えさせられました。