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あかずの扉の鍵貸します 谷瑞恵

あらすじ

大学生の水城朔実は高校生の時に火事で両親を亡くし、遠縁の不二代に引き取られて二人で暮らしていた。そんな不二代が病にかかり残された時間も少なくなっていた。不二代からあかずの間を借りてほしいと頼まれた朔美は不二代から預かった名刺の幻堂設計事務所の幻堂風彦に連絡を取る。後日、指定された事務所を訪れるとそこは古い洋館だった。


ここからネタバレ含む感想

不二代に頼まれてあかずの間を借りたことをきっかけに、朔実は不二代が亡くなった後、幻堂風彦が主をつとめるまぼろし堂で下宿することになる。あかずの扉の鍵に強くひかれた朔実は、アルバイトとして風彦の助手として働くことになった。そして、そこへ持ち込まれる様々な案件に巻き込まれてい行くことになる。
隠したい過去を持つものがあかずの扉の鍵を求め、自分の過去を見つけるためにあかずの扉の鍵で扉を開く。そんな人間のギリギリの葛藤を引き受けてくれるのがあかずの扉の鍵なのかなと読んでいて思いました。
誰にも知られたくない過去だけれども、ある特定の人がもしそのことを知りたくなった時のために隠しておく秘密の引き出しのような印象を受けました。
年齢不詳の風彦と大学を卒業したばかりの朔実と二人の関係も気になりますが続きがあるような、ないような感じで物語が終わっています。続編があれば読みたいなと思いました。

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