小公女たちのしあわせレシピ 谷瑞恵
あらすじ
食品会社で契約社員として働く野花つぐみは、家のリフォームのために自分の部屋を片付けるように言われ、久しぶりに実家へ帰る。つぐみの実家はホテルのはらという宿泊施設を営んでいて、兄が仕事を継いでいる。
自分の部屋でつぐみは「小公女」の本を見つける。その本の中には、「小公女」の中に出てくるぶどうパンのレシピが挟まれていた。その本の持ち主はホテルの常連のお客様で最近亡くなったメアリさんではないかとつぐみは考えた。
ここからネタバレ含む感想
お話の中心人物は、メアリさんという人物で、浜辺で倒れているところを助けられたのだがそれ以前の記憶を全て無くしてしまっていた。持っていたのは古いトランクに詰まった児童書。それからメアリさんは、新し人生を生きて亡くなった。メアリという名前も本名ではなく旅行死亡人として遺骨は役所に預けられている。
そんなメアリさんは、自分の児童書をあちらこちらに置いたり、誰かに渡したりしていた。つぐみはその本を見つけ、その本に挟んであるレシピを実際に作ってみることにした。
つぐみを中心に語り手が変わりながら物語は進んでいく中心人物はメアリさんですが、麦わら帽子にピンクのワンピースを着て街中を歩いていたメアリさんはたくさんの人が目撃していて、メアリさんがどこへ行っていたのかつぐみはあちらこちらで聞き出していく。その場所場所でメアリさんの残した本を頼りにメアリさんのことを知っていくそんな物語でした。
メアリさんの本を手にした人は、それぞれ自分の中にモヤモヤする何かを持っていてメアリさんの残したレシピで作ったお菓子を頬張ることで自分の新しい道を進んでいくそんな前向きなお話でした。
それでもメアリさんは謎の人物のままで、記憶をなくしたのはもう何十年も前でその間どのように暮らしていたのか出てこなくて謎のままで終わってしまったのと、本は6冊しか出てこなかったので多分まだ知らない場所にあるのかなと考えてしまいました。