優しい死神の飼い方　知念実希人

あらすじ

『我が主様』に使える高貴な霊的な存在である私の仕事は死者の魂を『我が主様』の元へ導くというものである。しかし、最近は未練により呪縛霊になる者が増えてきた。『我が主様』の命により、犬の体に宿って亡くなる前から未練が残らないように働きかけることになった。職場は、ホスピスと呼ばれる病院ここには、未練を残しそうな者が4人いるらしい…。

ここからネタバレ含む感想

犬の体に宿った高貴な存在の私は、4人の患者一人ずつ、未練を探り呪縛霊にならないように働きかける仕事をすることになった。しかし、同じ場所に4人は多いがこのホスピスはその昔、強盗殺人事件が起こった古い洋館でその事件で殺害された被害者も呪縛霊で存在しているらしい。ここに集っている患者はみんなこの事件にかかわっていて一つ一つ呪縛を解放していくことで事件の真相が見えてくる。
ミステリー仕立てになっていますが、レオ（宿っている犬の名前）が患者から話を聞き出し事件の真相を気づかせるという展開です。
人間以外の存在が出てくるミステリー結構好きなので楽しませてもらいました。しかし、犬がすっごい上から目線の物言いをするのがなかなか面白い設定です。途中、レオのライバルらしい高貴な存在が出てくるので続編はこの人が語り手になるのかな…。
人は死ぬとき心穏やかに逝くにはどうすればいいのかなと考えさせられました。