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レジェンドアニメ 辻村深月

あらすじ

アニメ業界で働く人々の短編集。ハケンアニメのスピンオフ作品。
有科香屋子は、中堅のアニメ会社の制作進行。前の期で担当していたアニメが人から「空気アニメ」と呼ばれていたことを思い浮かべて涙していた。
高校一年生の斉藤瞳は、サンタクロース風の衣装を着てクリスマスケーキ販売のアルバイトをしていた。ケーキを買ってくれた少女から「がんばってね。サンタさん」と言われてほっこりする。
高校2年生の並澤和奈は、母から頼まれたお肉屋さんの店先でクリスマス用の手羽先を買っていた。一部のクラスメートはクリスマスパーティをしていいることを考えて元気が出ない。
9年後、みんな夢を与えるアニメを手掛けている。


ここからネタバレ含む感想

ハケンアニメの主要登場人物の三人の9年前のクリスマスを描いた「9年前のクリスマス」、音響監督の五条と王子の出会いの話「音と声の冒険」、中学受験のための塾通い冨田太陽と斉藤瞳の出会いの物語「夜の底と太陽」、逢里哲哉と造形師鞠野カエデの出会いの物語「執事とかぐや姫」、斉藤瞳のその後の仕事を描いた「ハケンじゃないアニメ」、王子の気持ちがバレバレな「次の現場へ」の短編6話。
最初の4話は、ハケンアニメ前のエピソードが中心で、ハケンアニメの登場人物の心の動きを描いているエピソード、後半2話はハケンアニメ後のお話。後半2話の方が後日談になっているので読みながらニヤニヤしてしまいます。ハケンアニメの中ではかなりテンパっていたように見える斉藤瞳が「ハケンじゃないアニメ」の中では、その実力を発揮して長寿アニメのオープニングを担当します。また、「次の現場へ」では、ハケンアニメの登場人物たちが一堂に会した結婚式で次の現場での仕事の内容が醸し出されています。そして、王子の慌てぶりは面白かったです。ハケンアニメの中ではサラッと出ていたような気がするのですが、王子かなり本気のようです。
スピンオフ作品なのでこれだけでも楽しめますが、ハケンアニメを読んで~の方がより楽しめる作品です。

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