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魔力の胎動 東野圭吾
あらすじ
「ラプラスの魔女」の前日譚を含む短編集。
鍼灸師のナユタは、師匠から引き継いだ患者たちに出張施術を行っていた。その顧客の一人、スキージャンプ選手の坂屋は年齢のためここのところ不調が続いていた。そんな、坂屋の施術を依頼されたナユタは、坂屋のジャンプの分析をしていた大学教員の筒井先生を通して、羽原円華と出会う。
円華は、不思議な能力を持っていてその能力を使うと、ジャンプのスタートの最適なタイミングを合図できると言い出す。
ここからネタバレ含む感想
ナユタと円華が、円華の不思議な能力を使っていろいろな問題を解決してく短編集。時系列は、「ラプラスの魔女」より前の話なのでこちらを先に読んでもいい気がします。
全編通して、ナユタから感じる違和感があり、4話でその違和感の正体が明らかになります。読み始めから「?」と思っていたことの輪郭がはっきりするので、そこまで気が付かなかった自分は迂闊だったと読み終わって少し反省しました。それでも、物語の中にほんのり漂っているようなナユタの葛藤は後から思い返してみるとメチャクチャ深いんだろうな…と思いました。
感想には載せていませんが、「ラプラスの魔女」も以前読んだのですが、なぜか不思議な能力を持つ登場人物がいた以外の情報がスッポリ抜けてしまっているのでまた再読したいと思います。