思い出のとき修理します 谷瑞恵

小学生の夏休みに1度だけ遊びに来たことがある祖父母の理容店が貸物件になっていることを知った。仁科明里は、美容師の仕事を辞め、家族にも内緒で一人引っ越してきた。引っ越してきたその日に、商店街の会長を名乗る時計屋の飯田秀司が挨拶に来た。時計屋さんのお店には、「おもいでの時 修理します」というプレートが掲げらえていた。


ここからネタバレ含む感想

ミステリーとファンタジーが融合したような作品というのが最初の感想で、大まかなことは理論的に説明できるのですがところどころ不可思議な現象が起こるお話です。
明里が住むことになった津雲神社通り商店街は昔の賑やかな影はなくシャッターの降りた店も多い寂れた商店街です。そこで起こる出来事をおおらかな秀司と何やら後ろめたさを醸し出している明里と神社の親せきで津雲神社に住んでいる太一がかかわっていく。この太一が、姿の描写を読む限りヤンキー系かと思うのですが一応大学生、でも何か分けあって神社住まい、そして、神社の仕事はきちんと手伝って信心深い…とよくわからないキャラクターなのですが、なかなか距離が縮まない秀司と明里の間に入ってせっせとキューピット役をやっているところは微笑ましいかな…。
時計屋のプレートに惹かれるのか、いろいろ過去の思い出に思うところがある人がここを訪れて思い出の修理をされて帰っていく…そして、実は秀司も明里も修理したい思い出があり、それを修復して再出発…というお話でしょうか。後半は、恋愛ぽっさが濃くなるので、純愛物が好きな方にもおすすめです。
それからWikiがすごいネタバレになっているのでうっかり読まないように気を付けましょう。うっかり読んで、肝心なところのネタバレを読んでしまいました…。

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