珈琲店タレーランの事件簿3 岡崎琢磨
サブタイトル「心を乱すブレンドは」
純喫茶タレーランのバリスタ切間美星は、第五回関西バリスタコンペティションの予選を通過し本選へ出場できることになった。お店の常連客アオヤマは話を聞き、美星の練習に付き合うことにする。
ここからネタバレ含む感想
前日のリハーサルでアオヤマは美星に付き添い大会会場へ赴く。そこで、第4回大会で何かトラブルが発生したらしいが関係者たちは口を閉ざす。
大会1日目、最初のエスプレッソ部門で出場者石井のコーヒー豆に欠点豆が混入されるという事件が起こる。成り行き上、アオヤマが控室の監視役を引き受けることになるが、その後のコーヒーカクテル部門でも石井の材料に異物が混入されるという事件が起こり、アオヤマは疑われる。
何やらいわくつきの大会のようで、前大会はトラブルで箝口令が出されたらしくこの大会でも出場者はピリピリしている。そんな中で、異物混入事件が次々起こりこのままでは大会の存続にかかわるような事態に発展する。
この大会に思い入れのある美星が調査に乗り出す。
表向きは、さわやかなバリスタの大会と思いきや、結構裏ではドロドロといろいろ渦巻いていたので実際の大会がこんな感じだったら会場はさぞかしピリピリムードなんだろうな…と想像しました。
単独犯と予想して読んでいたのですが、意外に複数犯でその動機が少し弱いかな…という気がしました。しかも、かなり自己中な動機なのでどうも共感できない…。美星の推理で事件は無事解決し、チャンピオンも決まりましたが今後ちゃんと大会として発展できるのか…少し疑問が残ります。
本編とはあまり関係ない、断章のエピソードがなにかすごく関係しているのかと思ってじっくり読みましたが…、あまり関係なかったなぁ~、いつも作者に良い感じで騙されます(笑)
語りがアオヤマという名前で、登場しその後の状況が出てこないのでこの後の巻で何か大きなものでもあるのかな…どこか、伏線はないかと気にしながら読みましたが…うーん、わからない。ただ、1巻のネタバレしないような配慮だけでしょうか…。