小説の神様 相沢沙呼
あらすじ
高校生の千谷一也は、覆面作家として小説を書いているが全然売れない。そんな、一也の学校に転校生がやってきた。それが売れっ子作家の小余綾詩凪だった。
コンプレックスを刺激されている一也に編集担当者の河埜さんから小余綾と二人で小説を合作することを持ち掛けられるが…。
ここからネタバレ含む感想
もともと売れない作家の父を持つ一也は、売れる作品を書こうとするがなかなかうまくいかない。新人賞をとったデビュー作も、講評はよかったがほとんど売れない…。作家を辞めることも考えている最中に持ち掛けられた人気作家との合作企画に乗り気がしないが、参加することにする。しかし、その相手の小余綾は美人で人気者で、勉強もスポーツも抜群に秀でている人物でコンプレックスはさらに刺激される。
テーマは、タイトルでもある「小説の神様」で、小説を書いていると見えてくるある感覚のようなものらしい。小余綾はそれを感じることができるが、一也には感じることができない。そんなところにもコンプレックスを感じてしまう。
それでも、わざわざ転校してきた小余綾にもある事情があり、それが判明することにより一也は積極的に小説に取り組むことになる。そんな対照的な二人の小説家の物語で、最後まで面白く読めました。続編もあるようなのでこちらも読んでみたいです。