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旅屋おかえり 原田マハ
あらすじ
落ち目のタレント丘えりは唯一のレギュラーテレビ番組「ちょびっ旅」を自らの失言で打ち切りにされてしまう。丘えりの所属プロダクションは弱小でタレントは丘えりのみ、事務所の存続も危うい状況となる。
そんな中、電車の中に忘れたカバンがきっかけとなり新しい仕事が舞い込む。それは、旅に行けない人に替わって旅をするという旅屋という仕事だった。
ここからネタバレ含む感想
レギュラー番組が無くなってしまった丘えりだったが、新たに旅屋事業を始める。最初のお客様は花の家元のお嬢様で、難病の為旅には出られない。最後の旅は枝垂桜を見に行ったが、残念ながら雨が降ってしまい桜は見られなかったそれが心残りなので代わりに桜を見てきてほしいというものだった。旅を通して壊れかけた人間関係を修復をテーマにしている作品かなと思いました。
この手の作品は、旅1つ1つ短編小説仕立てにすることが多いような気がするのですが20回くらいサクッと行ってきました~と軽く流している辺りが大胆な展開だなと思いました(笑)
物語の中で出てくるのが一人目の家元のお嬢さんと最後のレギュラー番組のスポンサーだった企業の会長の2つのみで、スポンサー会長の方は丘えりのプロダクション社長の過去も巻き込んでなかなか入り組んでいる内容となっています。
タレントとしてはイマイチ売れなかった丘えりですが、旅というフィルターを通すと本人の魅力が倍増し、細々と続いていた旅番組、もしもっと続けていたらきっとすごく番組に化けていったのかな…と想像します。
旅を通して暖かさが感じられる作品で、私もどこか辺境の地にでもぶらり旅したくなりました。